子ども1人1000万円時代! でも、お金がコワくない理由とは?

出産・子育て

公開日:2018/1/18


 1人育てるのに1000万円!と言われる、子育てマネーサバイバル時代。妊娠したけれどやっていけるかしら…、そもそも結婚に夢が持てない…、若手世代の不安げな声が聞こえてきます。雇用が不安定だったり、収入が増えづらかったりするなかで、教育費が高止まりしているために、家計への負担感がより大きくなっているようです。でも「それほどお金の心配はしなくても大丈夫」と話すのは、ファイナンシャル・プランナーの畠中雅子先生。「いまは公費でまかなえる支出が多いので、妊娠・出産にまつわる自治体などのサービスを賢く利用するに限ります」。それでは知らないと損する、子育てマネーや手続きについて、チェックしてみましょう。

■プレママの妊婦健診はほぼタダ。お産費用も42万円が支給される


 妊娠中は妊婦健診費がかかりますが、すべての自治体で14回分(中には無制限の自治体も!)の妊婦健診の受診券の受け取りがOK。また入院・分娩費は健康保険から支給される42万円の出産育児一時金でまかなえます。「住んでいる区に妊娠届を出したら、母子手帳といっしょに受診券がもらえた」(渋谷区Mさん)、「お産費用どうしよう!とあせっていたら、パパの会社の健康保険から直接産院に払われ、ほとんど差額はありませんでした」(さいたま市Iさん)。会社の健康保険に加入して働く妊婦さんなら、産休中の休業補償として給料の約2/3の出産手当金が受け取れます。

■帝王切開でお金が戻ってくる! 確定申告で払い過ぎをとり戻した!

「緊急帝王切開で出産したら、あとで医療費の一部が戻ってきてびっくり」(千葉県Nさん)というように、医療費が高額にのぼったら高額療養費が適用されて、自己負担を超えた分は戻ってきます。また、医療費控除やセルフメディケーション税制が適用されたら、確定申告で払いすぎた税金が戻ってくる場合も。通院にかかる電話・バス代はメモしておき、治療目的で買った市販薬のレシートはなくさず保管しましょう。

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■出生届はすみやかに提出を。子どもの医療費が補助されます

 赤ちゃんが生まれたら、出生届を出すことが子育てマネー管理の第一歩。出産した月か出産の翌日から15日以内に申請すれば、子どもが中学を卒業するまで月額5000~1万5000円の児童手当(年齢や所得、子どもの数で金額は異なる)が受け取れ、子どもにかかる医療費は自治体から助成されます。「かかりつけの小児科の窓口で乳児医療証と健康保険証を見せれば、お金がかかりません!」(世田谷区Tさん)。ただし、対象年齢は自治体ごとに異なるので、引っ越しを考えている人は、引っ越し先の制度を要チェック! 

■児童手当をちゃんと貯めつづければ、教育費もコワくない! 学資保険も計画的に


 気になるのは高額化する教育費のコトですが…。「すべてのご家庭に支給される児童手当は、全部貯めると約200万円になります。それに学資保険約200万~300万円、貯蓄約100万円をプラスすれば、大学時に必要な約500万~600万円は用意できます。約100万円を18年で貯めるなら、1カ月約5000円でOK。学資保険は出産祝いなどのお祝い金をあてて短期払いにしましょう。とにかく生まれたときからコツコツ貯めていくのがポイント。むやみに習い事をさせず、しっかりと貯める仕組みを作っておけば、無理なく目標額を達成できますよ」(畠中先生)

 ちなみにかかる金額は進路によってことなります。「特に小学校、中学校が私立だと、公立との差は歴然。学校教育費をあげると小学校の場合、公立が6年間で約194万円に対し、私立は約917万円、中学校の場合、公立が3年間で約144万円に対し、私立は約398万円(文部科学省「平成28年度子どもの学習費調査」)。高校の場合、公立は3年間で約135万円、私立は約312万円ですが、私立は所得に応じて助成金が出るので、見た目の負担額の差よりも実際のほうが少なくなります。小学校、中学校で私立を選ぶなら入念な準備が必要ですが、公立であれば高校までは教育費は家計から出すのが一般的。大学のお金を貯める=教育費プランということになります」(畠中先生)

 その大学費用は入学費用と4年間の学校教育費を合わせて、国公立は約484万9000円、私立文系は約695万1000円、私立理系は約879万7000円(株式会社日本政策金融公庫「平成28年度教育費負担の実態調査結果<国の教育ローン利用勤務者世帯>」)。ざっと約400万~600万円かかるが、それも小さい頃から貯めていけば心配ないとのこと。

 こうした子どもにかかるお金、もらえるお金を一冊にまとめたのが、畠中先生監修の「妊娠・出産・育児で『かかる』『もらえる』お金がよくわかる本」(主婦の友社)。子育て世代が気になる生命保険や住宅ローンについても、くわしく解説しています。これ一冊読めば、将来のお金の不安が吹き飛びます! 妊娠したらぜひ手にとり、わが子に明るい未来をプレゼントしたいですね。

文=プレモ・ベビモ編集部子育てマネー取材班