簡単なのにおしゃれ!カードや手紙にちょっぴり温かさを。万年筆で描く「シンプルスケッチ」って?

ライフスタイル

2018/1/16

『万年筆ですぐ描ける! シンプルスケッチ』(兎村彩野/グラフィック社)

 学生時代、あなたの周りにも居たのではないでしょうか。美術部でもないのにノートの端っこを使い、ちょっとしたイラストをサラサラ描いてしまうクラスメイト。しかもどことなく味がある仕上がりで、私もあんな風に書けたらなぁと思わせるような。その夢、『万年筆ですぐ描ける! シンプルスケッチ』(兎村彩野/グラフィック社)で叶えてみませんか?

 本書は新宿・伊勢丹のおしゃれな広告でお馴染みの人気イラストレーター・兎村さんが、たまたま手にした万年筆の書き味の魅力に目覚めたことから作られました。万年筆の仕組みや扱い方に始まり、万年筆で描く食べ物や雑貨など、暮らしのアイテムのイラストの書き方、飾りケイやデザインレイアウトなどが多数紹介されています。

 兎村さんは、万年筆の“虜”になってから「描きたいものを丁寧に観察して絵を描くように」なったそうです。そして「世界をよく見て感じて、手から生まれた線で描く。ただイラストを描くというより、観察を楽しむ側面もある」というスタイルを「シンプルスケッチ」と名付けました。

 筆者も「シンプルスケッチ」にトライしてみることにしました。用意した万年筆は、本書で「初めて使う人におすすめの万年筆」として紹介されていた「プレジール(プラチナ)」です。実はここ数年、絵らしきものすら描いていません。果たして描くことができるでしょうか。それができるのです!本書で書き方を学んだ基本のイラストやデザインがたくさん載っている付録小冊子「なぞり描きブック」という味方がついています。

 本書の背表紙のイラストを見習い、「なぞり描きブック」でなぞり描いたイラストがこちらです。

 小さい絵ですが、立体的に描くことができました。さらに本書の合間には、兎村さんから「私らしい線できもちを伝えるのって楽しい」「手から生まれた線に失敗の線はない」などのコラムがあり、イラストを描く人の背中をそっと押してくれます。きっと、もっと練習してみたくなります。

 他にも「文字をおしゃれに描く」、フレームやふきだしなど「あしらいをおしゃれに描く」、そしてカラーやホワイトをプラスする「応用編」では地図の書き方、手作りカードの作り方まで、アイデアが満載の一冊です。また、万年筆も今では高価なものだけではなく、お手頃価格から様々なものが販売されています。いろいろ試して自分の手に馴染む一本を探し当てるのも楽しみとなるでしょう。

 手紙やメッセージカードなどを送る際に、文章に添えるちょっとしたイラストがあれば、無味な紙面にも味わいが出ますし、独特の個性や“人の手を介したからこその温かさ”が伝わります。日常の暮らしの全てが「シンプルスケッチ」の対象物となるのです。

 絵に自信がなくても大丈夫。あなたもお気に入りの万年筆で気軽に「シンプルスケッチ」始めてみませんか。

文=小林みさえ