AKB48渡辺麻友と柏木由紀。別々の道を歩む今だからこそ語れること

エンタメ

2018/1/30

『まゆゆきりん「往復書簡」~一文字、一文字に想いを込めて~』(渡辺麻友・柏木由紀/双葉社)

 「まゆ」こと渡辺麻友&「ゆきりん」こと柏木由紀。AKB48における最大の友であり、最大のライバル。2006年12月の出逢いから11年間。別々の道を歩く日まで、2人が心に抱き続けたものは何だったのか。

「まゆ」と「ゆきりん」の2人だからこそ生まれた想いの丈。『まゆゆきりん「往復書簡」~一文字、一文字に想いを込めて~』(渡辺麻友・柏木由紀/双葉社)では、2人の熱い想いに触れることができる。

 第3期AKB48追加メンバーオーディション最終審査。1万2828人の中から選ばれた2人にとって、いったいどんな日だったのかを、振り返ってみよう。

「そこまで言うんだったら、最後にもう一度だけ、受けてみる?」
 母の言葉に背中を押された柏木由紀と、毎朝、顔を見るたびに、「受けたい!」という言葉をしつこく、粘り強く繰り返し、なんとか母のOKを取り付けた渡辺麻友……。
 鹿児島と埼玉。生まれた場所も、育った環境もまるで違う2人だが、その想いは左右対称……シンメトリー。

 この本を読み、実はオーディションの日、鹿児島は朝から土砂降りの雨だったと知り、大変なのに笑ってしまった(ゆきりんは雨女なのだ!)。だが、鹿児島付近では飛ぶかどうかさえ怪しかったものの、東京に着くころには快晴になったとか!

 最終審査では、歌に全力をつくすのはもちろんのこと、もしかしたら、歌の出番を待っている間も試験の対象なのかもと思い、ぴんと背筋を伸ばして自分を鼓舞していたとか。

 そしてまゆを見て、あまりのかわいらしさに、すっかり心を奪われていた。

もしも一緒に合格できたら、3期のエースは、3期のエースは、あの子だ──。
予感がしたのもこのときです。
そのことだけは、はっきりと覚えています。

 一方のまゆは、その日自信に満ちた状態でその場にいた。「絶対受かるような気がする」と感じていたとか。自己評価は120%で、最高の笑みを浮かべていた。

 こうしてデビューをした2人、やがてテレビ出演、雑誌インタビュー、NHK紅白歌合戦やレコード大賞の舞台に立つなど、AKB48を背負う存在となる。

 よくこんなにも気が合う子たちがいるのだな。と手を叩きたくなるほどの2人。そんなゆきりん&まゆならではの話がある。

 初めての表紙撮影の仕事前夜、お腹いっぱい食べて寝てしまった2人。ゆきりんいわく、まさかの大遅刻をしてしまったのだとか!?

 その手紙に返信をしたまゆの話では、確かに柏木と2人部屋で眠り、目が覚めたときには始業時間の4分前だったとか! しかしそこで諦めてしまわず、2人は「うおぉぉぉぉぉッ!」という雄叫びを上げながら必死で準備し、4分後の集合時間にすべり込みセーフだったとか!

 そんなパワフルな2人の心を揺さぶるかのように、総選挙が始まる。誰もが全力で取り組んでいることは間違いない。それを評価されるのは、とても辛いことだろう。

 順位の上下が気にならないわけではないけれど、どういう結果になっても、それを表に出さない。自分がかっこ悪いと感じることはしないのが、ゆきりんの決意だった。

 いつまでも、この華やかなステージで2人を見続けていたい。そう感じさせてくれる2人だが、やがて別々の道を歩むことになる。

 まゆの卒業。そしてゆきりんは、総選挙への不参加。
「卒業しようと思っているんだけど」というまゆの言葉が、ゆきりんには迷いのない「卒業します」という決意に聞こえたそうだ。

 そんなゆきりんがリハーサルの時から泣いてしまったため、まゆは動揺していた。

 まゆは、卒業を決意するとき、悩むことはなかったそうだ。卒業によって、一歩前に進む。そう感じる今、「演じること」に対して、胸が弾む想いを抱いているそうだ。

 そしてゆきりんは、今はまだソロの活動とAKB48の活動が両立できるから、卒業はしないと言う。

 それぞれ違う道を行くことになった2人が、最後に「まゆ」、「ゆきりん」、「この大切な友のことを全力で支えているファンの人たち」、そして「10年後の相手」、「10年後の自分」に向けて書いた手紙にキュンとするはずだ。

 その大切な想いに触れながら、2人のこれからの活躍を応援し続けよう。

文=松田享子