「ほめる」ことで人生好転——職場も家庭もまずは相手をほめよう
公開日:2018/2/9
家庭では妻や夫、子どものダメなところを指摘し、職場では部下や上司、取引先の人間の粗を探す。そんなネガティブな生活は、意識せずともあなたの心や身体を疲弊させてしまうもの。他人の粗探しをやめ、相手のいいところをほめることで、仕事も家庭環境もストレスフリーで風通しのいいものにしてみようではないか。そこでおすすめしたいのが、『結果を引き出す 大人のほめ言葉』(西村貴好/同文舘出版)だ。
本書では、家庭でのコミュニケーションに役立つものや仕事関係で取り入れたい技法、会う前から相手の心をつかむものなど、状況別に実に豊富な種類のほめ方が紹介されている。少しだけそのテクニックを見てみよう。
■円滑な人間関係への第一歩はいちばん身近な「家族」をほめること
家族といえば、多くの人にとって最も身近で、その存在を当たり前と思っている人も多いことだろう。あまりに近すぎて、その存在を普段は意識していない。しかし、いざという時に夫や妻がいなくて困ってしまったという経験をお持ちの方もいることだろう。実は、当たり前だと思っていた家族の普段の行いにこそ、感謝すること・ほめることがあふれているという。
「毎日おいしい食事を作ってくれてありがとう」、「いつも家族のためにがんばってくれてありがとう」と心から普段の行いをほめ、感謝の気持ちを伝えてみる。そうすることでぎくしゃくしていた夫婦関係や親子関係を円滑にすることができるのだ。
家族が近くにいるときに、独り言のように「落ち着くなー。幸せってこういうことを言うのかな」と言ってみるのは高等テクニック。それを聞いた家族からはきっと笑顔がこぼれることだろう。
■「そんなほめ方があったのか」と驚く応用編のほめ方を駆使してみよう
家族だけではなく、仕事仲間や部下、取引先の人間など、身の回りにはぜひともほめたい相手がたくさんいる。
本書では、基本のほめ方として「3S」、つまり「すごい」「さすが」「素晴らしい!」を紹介しているが、これでは物足りないという方にも満足いくように、上級者向けのほめ方も多数紹介されている。
小さな事実の価値を最大化して伝えるというほめ方のひとつに、たとえば、「○○してくれて気が利くね」というほめ方がある。このほめ方をアレンジして、「○○をありがとう。○○のおかげで助かったよ」と言ってみたり、「気づきの目盛りが細かいねー」と伝えたりするのは、さらに相手のよさを引き出す「上級者」のほめ方だ。
ほめる対象を細かくすればするほど、ほめられた相手は「そんな些細なことまで見てくれているんだ! うれしい!」と、幸福な気持ちになることは間違いない。きっとその相手はさらにやる気に満ちあふれ、日々の業務効率も右肩上がりになるはずだ。
周囲の人の成長を止めていたのは、あなたのダメ出しかもしれない。もしあなたが関わりあう人とともに成長していきたいのであれば、本書を参考に「ほめ言葉」を駆使していただきたい。本書があなたの人生を豊かにする本のひとつとなってくれることを願っている。
文=ムラカミ ハヤト
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