さぁ今日から私も魔法の「言葉」を唱えよう!
公開日:2012/3/2
天才・イチローを創った魔法の「言葉」
ハード : PC/iPhone/iPad/WindowsPhone/Android | 発売元 : イースト・プレス |
ジャンル:趣味・実用・カルチャー | 購入元:eBookJapan |
著者名:児玉光雄 | 価格:1,000円 |
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実は、イチロー選手についてはあまり詳しくありません。
「すごい」「超人的」「天才」そんな形容詞ばかりを欲しいままにしていて、アメリカの大リーグで体も小さいのに、アメリカ人顔負けのプレーをし、非常にストイックは反面、自信に満ち溢れているような感じもする選手、というのが個人的に持っていたイメージでした。
この本を読んで、それが覆されることはありませんでしたが、もうひとつ加わった彼の印象は「バカ」がつくほどの努力家で地道な人だということ。
イチロー語録を集めた本書を書いたのは米国オリンピック委員会スポーツ科学部本部の客員研究員として世界の一流選手のデータ解析を行ってきた児玉光雄氏。右脳開発トレーニングの第一人者でもある彼が注目しているのは、イチローの偉業を成し遂げたその後ろにある、彼のメンタリティです。
過去のインタビューなどでイチローがコメントした彼の野球観や、記録や仕事、プレッシャーやオフ・オンの使い方など、さまざまなコメントを集めてみると、めちゃくちゃにポジティブシンキング、明るくって前向き! という感覚ではなく、一歩一歩、気が遠くなるほど確かめて、分析して、解読して自分の野球を進めてきた彼のストイックさが浮き彫りになっています。その華やかな経歴の後ろのまさに「血のにじむような努力」。しかもイチローにはそれが「血がにじむほど」大変ではなく、「しなくてはいけなこと」のように淡々とこなしてゆく。相当に、変わっている…という印象も受けました。妥協を許さない性格なことも。で、きちきちに詰めちゃって、自分が締め上げられちゃうのでは? と心配すると、ふっと力を抜けるような。ど根性をやっているのに、かつての日本人のメンタリティとはかけ離れている、自分を育てることを客観的なところから見ていられる人のような印象です。
ど根性をやっている人というのは、ど熱かったり、うざったいほどにしつこく「オレ」だったりするのが常ですが、イチローの言葉を集めてもそういうイメージになってこないのが不思議。それほど、彼のコメントは成功のための、というか「彼の幸せ」のための普遍的な言葉なのかも。自己啓発本を読んでいるような本書。イチローワールドが凝縮されています。
著者はまえがきでこういいます。
「つまり、彼はバッターボックスに入るまでがすべてなのである。もっと言えば、彼はバッターボックスに入ったときに完結しているのだ。あとは無心になってピッチャーの投げるボールにヒットするだけ。イチローにはそういう思いがあるはずだ。それは他のメジャーリーガーが、バッターボックスに入ってからベストを尽くそうとする姿勢とまさに対照的だ。そういう心構えを、私たちもイチローから学ばなければならない」と。とりあえず、本書から例えば「スランプに感謝する」とか「この『覚悟』で生きている」あたりを壁に張ってみようかな。
こと男性のビジネスシーンには多く役立ってくれそうな標語満載です。
右ページが「イチロー語録」で左が児玉氏の解説というつくり
では私も集中してリラックスしなきゃ!
勝負の世界にいる男の醍醐味
謙虚と自信のバランスって難しいですよね (C)児玉光雄/イースト・プレス