砂糖の代わりだけじゃない! 甘酒を料理に使いこなす!【作ってみた】

食・料理

2018/3/22

『料理用あま酒、はじめました。』(舘野真知子/光文社)

 毎年毎年新しい斬新なレシピ本が登場しては消えていく昨今だが、塩麹や甘酒(甘麹)など麹をもとにした調味料は、7年ほど前に出版されて注目を集めて以降、愛され続けている。それは、麹が本当に便利で栄養価も高く、食材の旨みを引き出してくれるものだからだろう。

 塩麹の本が発売された当初は、塩麹の存在感が大きく、甘酒やしょうゆ麹はそのサブ的なポジションにあった。しかしここ数年、甘酒の人気が急上昇している。甘酒といっても何でもいいわけではなく、ここでいう甘酒とは、麹からできたもののこと。甘酒は、砂糖を使わず、麹を発酵させることで甘みを引き出した自然の甘味料としてはもちろん、幅広く活用されている。

 そんな中で、料理用としての甘酒に焦点を当てている『料理用あま酒、はじめました。』(舘野真知子/光文社)という本が登場した。そこで、どんな活用方法があるのか、実際に甘酒を使ったレシピを試してみようと思う。

■「チキンとかぶのホワイトシチュー」(P.15、P.20)


 1つめは、「チキンとかぶのホワイトシチュー」。鶏もも肉、玉ねぎ、にんじん、しめじ、かぶを切り、バター、にんにくとともに鍋で炒める。しんなりしたら水とローリエを加えて弱火で煮込み、甘酒を加えて再び煮込む。あとは塩胡椒、かぶの葉、牛乳を加えて軽く煮たら完成。

 甘酒のとろみで、小麦粉は入れていないが少しとろっとしている。見慣れたシチューよりはサラサラしているが、これだけしっかり具材に絡んでいれば全く問題ない。非常にシンプルな味付けだからこそ、引き出された野菜や鶏肉の旨みの濃さを感じられる。非常に贅沢な味わいに仕上がっていた。

■「豚スペアリブと焼き大根のオイスターソース煮」(P.58~P.59)


 2つめは、「豚スペアリブと焼き大根のオイスターソース煮」。つぶしたにんにくとごま油で、大根と豚スペアリブを焼き目がつくまで焼き付け、甘酒、水、しょうゆ、オイスターソースを加えて煮込む。最後にチンゲン菜を加え、しんなりしたら完成。

 旨みたっぷりのスペアリブと大根の出汁に甘辛い味付けがよく合う。甘酒には、肉を柔らかくするだけでなく身離れを良くする効果もあるそうで、数十分の煮込み時間とは思えないほど肉が骨から綺麗に剥がれてくれる。甘酒の複雑な甘みが肉の油っぽさを軽減してくれており、ボリューミーでありながらしつこさがなく、飽きない美味しさ。

■「タイのあま酒〆」(P.74~P.75)


 最後は「タイのあま酒〆」。鯛の短冊に甘酒と塩を混ぜたものを塗り、ラップでしっかりと包んで一晩おき、そぎ切りにしてねぎを散らせば完成。わさび、すだち、好みでしょうゆをつけて食べる。

 身がしっかりと締まった鯛は、程よい弾力があり、ねっとり濃厚。甘酒の甘さが移ってしまうのでは、と不安もあったが、甘くなりすぎることはなく、いい塩梅に鯛の旨みを引き出していた。すだちやわさびとの相性も非常に良く、クセになる味。

 どのメニューも、全く違う味付けでありながら、どれも甘酒だからこその奥深さ、旨みの強さ、舌触りの良さがあり、改めて甘酒の力を実感することができた。この『料理用あま酒、はじめました。』には、「ローストビーフ」や「こうじチキンカレー」「あま酒しゃぶしゃぶ」など、まだまだ試してみたい甘酒料理がたくさん掲載されている。

 また、甘酒の作り方や保存方法、塩麹を広めた糀屋本店の浅利妙峰さんと著者との対談、日本各国のご当地甘酒&麹など、麹に関する様々な情報も知ることができる。甘酒初心者の人も、甘酒を使いこなしている人も、本書を読めば、きっと新しい甘酒の使い方に出会えるはずだ。

調理・文=月乃雫