職場にいる“嫌いな人”は賢くやり過ごせ! 上手な取り扱い方法とは?

ビジネス

更新日:2018/4/16

『職場の嫌いな人の取り扱い方法』(小林惠智、小林麻綾:監修/主婦の友社)

 どこにでも、誰にでも、“合わない人”はいる。だが、同じ職場にいる以上、関わらないわけにはいかない。「自分が我慢すれば……」とストレスを溜めてしまって、精神的にまいってしまうのも悔しいし、合わない相手と同じ土俵に上がり、大人気ないいがみ合いをするのも、結局、周囲のあなたの評価を下げてしまうことになる。

 大切なのは、自分が我慢することでも、相手を変えようとすることでもなく、「危険人物の取り扱い方」を学び、「うまくやり過ごす」こと
『職場の嫌いな人の取り扱い方法』(小林惠智、小林麻綾:監修/主婦の友社)は、アメリカで30年以上も軍隊で使われている組織論(FFS理論)に則っている。人間科学の応用を基に「やり過ごすワザ」を、「危険人物」の具体例を挙げながら、説明した一冊だ。2006年に文庫版が発売され、2016年にはその内容をさらに分かりやすくイラスト化し、理論部分をスリムにした『図解版』が発売されている。

 冒頭では、まず自分がABCDの4つのうち、どのタイプなのかを診断。自身のタイプによって危険人物へのやり過ごし方及び相性が変わってくるので、あなた自身がどのような思考と行動パターンの人物であるかを知る必要があるのだ。

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 さて、では具体的な「危険人物」を挙げながら、内容の一部をご紹介しよう!

■≪やりきれない仕事を抱えてまで、自分にうっとりする迷惑な人≫には……

 真面目で律儀。一見「悪い人」ではないのだが、「仕事を任せてもらえる自分」にうっとりして、大問題を起こす人物。
 上司のあなたが「頼んだ仕事、大丈夫? きつそうなら手伝うから、早めに言ってね」とフォローをしても、「大丈夫です!」と笑顔。相手を信じて任せていたら、納期直前でテキトウな言い訳を繰り返した挙句、「何もできてません……」。あなたは急遽部内のメンバーを総動員。しかし、結果的に納期を守ることができず、もちろん責任者のあなたにもお咎めが……。

 こういう「困ったちゃん」の「天敵」はDタイプ(責任感が強い反面、融通の利かない頑固な一面もある)。もしあなたがDタイプだった場合は、相手がどんなに大丈夫と言っても、作業工程を細かくチェック。人事部に再教育を依頼するのも一つの手段だ。

■≪やることすべてに因縁をつけたり揚げ足を取ったりしたがる人≫には……

「嫌いな上司」第1位に輝く人物。思い込みが強く、ネチネチと怒る。部下のやることなすことに因縁をつけてくるのだが、妙案や対案を出してくることは決してない。

 こういった“テッパン”の嫌われ者と、最も相性が悪いのはCタイプ(強烈なリーダーシップを持つが、強引過ぎる傾向も持つ)。あなたが、ボス気質ならこんな相手と議論をしていても、打開策を見出すことは不可能。
「いいヒントを頂きました。責任はすべて自分で取りますので、あとは私のやり方でやらせてください」と相手の意見を汲み取ったフリをして、思い通りにプランを進め、結果を残すべし。

■≪お気に召さないひと言を根に持ち、嫌味と嫌がらせを続ける人≫には……

「自分の意に沿わない返事=自分への非難」と思い込む人物。就業後「まだ終わってない仕事があるから、手伝ってくれない?」と声を掛けられたあなたは、どうしても外せない用事があり、「すみません、用事がありまして……」と返答。これが危険人物の嫌がらせ攻撃スイッチをオンにしてしまう。

 その後、「仕事に私用を持ち込まれたら困るのよね」「仕事に責任を持ってない人がいると、周囲が迷惑する」など嫌味を言われたり、自分が病欠した際に、一切フォローをしてくれなかったり……。
 こういった人物と相性最悪なのはBタイプ(協調性があるが、何に対しても「事なかれ主義」)。平和主義のBタイプは、「どんな人にも合わせることができる」という自分の長所を生かし、相手の心に入り込んでしまうのがベスト。表面上でも仲良くなってしまえば、相手の「攻撃ターゲット」から外れることができるはずだ。
 各タイプの詳細な取り扱い方法は、ぜひこの本を読んで実際に試してみてほしい。

 自分を知り、相手を知り、“嫌いな人をやり過ごす”技術は、大人の必須教養と言っても過言ではない。新しい環境になり、新たな人間関係を築く機会が多い季節、早めに『嫌いな人の取り扱い方法』をマスターしよう!

文=雨野裾