教科書通りのテクニックは卒業! 等身大の自分で暮らすための片付け術

暮らし

2018/4/3

『今日からだれでも、片づけ上手。 モノ、迷い、重たい気持ちとサヨウナラ』(原田さよ/ SBクリエイティブ)

 年齢を重ねるとお部屋をスッキリとさせたくても、体が思うように動いてくれないことがある。そんなモヤモヤを持っている方に読んで欲しいのが『今日からだれでも、片づけ上手。 モノ、迷い、重たい気持ちとサヨウナラ』(原田さよ/ SBクリエイティブ)だ。本書では50歳から心機一転し、片付けに取り組み始めた原田氏が、人生の後半からでもできる片付け術を紹介している。

■心を大切にした片付け術を

 原田氏が提案する片付け術は、教科書のような片付け本とは一味違い、読者の心までスッキリとさせてくれる。身のまわりの物を整理整頓したいときは、「ドンドン断捨離を進めていかなければ…」と焦ってしまうことも多い。しかし、片付けに取り組んでいるときでも仕事や家事はいつものように待ち構えている。

 だからこそ、片付けをする日は他の家事をなるべく行わないようにしようと原田氏は提案している。全てを完璧にこなそうと思うと、モチベーションや気力が持続せず、せっかく出てきた片付け意欲もしぼんでしまう。そうならないためには、「食べることさえ準備できていればオッケー」と自分に暗示をかけることも大切なのだそう。

 また、「あとちょっとやれそう」と思うところで、片付けを一時中断することもポイントのようだ。片付けという行為は、自分自身が思っているよりも体と心に疲労を与えるため、達成感よりも疲れたという記憶が残らないようにすることが重要なのだ。自分のリズムやコンディションを優先しながら行える原田式の片付け法なら、忙しい主婦でもストレスなく行えるだろう。

■家族の現状に合わせた収納づくりを

 自分自身が年を重ねていく分、家族の形も変わってくる。こうしたときは家族の現状によって、片付け法も変化させる必要がある。例えば、就職や結婚などで子どもが親元を離れていってしまうと、今までのライフスタイルが大きく変化する。こうしたときこそ実は、片付けを開始する最大のチャンスになるのだ。

 具体的には、家族の現状に合わせて家にある食器を見直してみたり、普段の調理道具の必要性を再検討してみたりするのがおすすめのよう。実際に原田氏も自分の体力などを考えて土鍋や圧力鍋のような重たい調理道具を手放し、平たいすき焼き鍋や電子レンジを活用するようになったのだそう。今どきの電子レンジは揚げ料理や蒸し料理なども作れるため、こうした便利アイテムに賢く頼っていくことも片付けを進めていく中で大切になってくるのだ。

■身も心もスッキリとお片付け

 本書には心の片付けもできるよう、“人生をシンプルにする5つの考え方”が記されている。
原田氏が提案する5つのポイントは、下記の通りだ。


1.ダメな自分を丸ごと受け入れる
2.人の手を借りてもいい
3.決めるのは、あくまでも自分自身
4.よい言葉で考え、よいところを探す
5.片付け上手が大切にしているモノとコト

 今から5年前に自身の息子を亡くしたという原田氏は愛息の部屋を片付けたことを機に、昔の自分を振り返ることができるようになったのだそう。良い嫁、良い母、良い妻として決められたことを決められた通りに行うことが大切だと思い続けてきた原田氏がそういう考えをやめて語るからこそ、自身の生活スタイルや居心地の良さを重視した片付け術やシンプルライフへの考え方は多くの人の心に響く。

 洗練されたインテリア術やインスタ映えする収納術は、人から褒められることも多い。しかし、自分自身が息苦しさやプレッシャーを感じてしまうのであれば、それは理想的な片付け法だとはいえない。自分に合った収納術を求めている方はぜひ本書を参考に、等身大の片付け法を再検討してみてほしい。

文=古川諭香