私の家を“腐海化”から救った1冊の本

アニメ・マンガ

2018/4/20

『面倒くさがりの自分を認めたら部屋がもっとキレイになりました 三日坊主の後回し虫退治術』(渡辺ぽん/KADOKAWA)

 筆者の目下の悩みは「部屋が汚い」という一言につきる。

 もともとキレイ好きというわけでもないので、仕事が忙しければ掃除や洗い物などの家事は後回し。「週末まとめてやろっと!」が実行されず、負債がたまりまくって、気付くと“腐海”が生成されていることもしばしば。

 そんな筆者だが、最近少しずつ「こまめに掃除」の習慣が身に付いてきた気がする。その立役者となっているのが『面倒くさがりの自分を認めたら部屋がもっとキレイになりました 三日坊主の後回し虫退治術』(渡辺ぽん/KADOKAWA)というコミックエッセイだ。

 同書は、なかなか部屋をキレイに保てなかったマンガ家の渡辺ぽんさんが、「面倒くさがり」「三日坊主」「後回し癖」という自分の弱さを受け入れつつ、無理せず自然に、部屋がキレイになる方法を身につけるまでを綴ったもの。

 「ちょっとまって『面倒くさがり』『三日坊主』『後回し癖』って、私のこと!」。この本と出会った筆者がはじめに思ったことである。実際に読み進めてみても「そうそう、わかるわ~」という共感の連続だった。

 しかしこの本の真骨頂は「共感できること」ではない。ぽんさんが自分の弱点をうまくカバーしながら編み出した「顔を洗う“ついで”に洗面台も洗う」「お風呂に入った“ついで”にバスタブも洗う」といった、面倒くさがりな人でもできる掃除や片付けの方法が紹介されていることが、最大の魅力なのである。ものすごく画期的な方法というわけではないのに「たしかに“ついで”ならできそう……!」と、目からウロコが落ちた気がした。

 この本を読んだ1番の収穫は、面倒くさがりな人が掃除や片付けを習慣的に行うには、ほかの人と同じやり方に固執しても意味がないと気づけたこと。自分のダメな部分をあえて利用した方法を探ることが何より大切なのだ。だからこそ、ぽんさんのやり方をまるごと真似すればいいというわけではないのだが、意識が変わったことで「こまめに掃除」がそれほど苦ではなくなってきた。

 あまり大きな声では言いたくないが「面倒くさがり」「三日坊主」「後回し癖」の3拍子のせいで、汚部屋になりかけていた筆者の自宅。この本に出会ったおかげで、だいぶマシになった気がする。この場を借りて、著者の渡辺ぽんさんにお礼を言いたい。

文=近藤世菜