“come”の本当の意味が分かりますか?――たった40の動詞で生きた英語が話せる

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更新日:2018/5/14

『使える動詞だけ覚えなさい! 英会話フレーズ700』(伊藤太・Gary Scott Fine/西東社)

 日本には、英検1級を持っていたり、TOEICで700点超の高得点を取っていたりするのに、英語はほとんど話せません、という方がいまだに多い。そういう方の多くが、辞書を片手に英字新聞を読む、あるいは文法書をひたすらこなすという、英会話力向上のためには間違った勉強法をしている。英会話力を上げるためには、それに適した正しい勉強、というよりもむしろ練習をしたほうがいい。そこでわたしがおすすめするのが『使える動詞だけ覚えなさい! 英会話フレーズ700』(伊藤太・Gary Scott Fine/西東社)だ。

 本書は、日常会話でよく使う40の動詞を用いた700の表現をレベル別に紹介している初級者・中級者向けのフレーズ集だ。イラストがシュールで思わず笑ってしまうのに、解説は本質をついているという優れものだ。さらには、音声の無料ダウンロードもできてしまうという徹底ぶりだ。

■知っているけど、使いこなせていない動詞をレベル別に徹底解説

 本書は4つの章に分かれており、Chapter 1では最低限押さえておかなければならない動詞を、Chapter 2では普段からよく使う動詞、またChapter 3ではこなれた表現のできる動詞、そしてChapter 4では英語上級者を思わせるような表現に使える動詞をそれぞれ紹介している。

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 Chapter 1で紹介されている動詞“have”を使えば、“I have a sweet tooth”(わたしって甘党なんですよ)というちょっとした自己紹介ができるし、Chapter 2にある‘tell’を用いれば、“Tell me straight.”(はっきり言ってくれ)と相手に催促の言葉をぶつける言葉もできる。また、Chapter 3に掲載されている‘carry’を使って、“He carries the so-called ‘chuni-byo.’”(彼はいわゆる「中二病」にかかってるね)のようなこなれた小話ができる。さらには、Chapter 4の‘mind’を用いて、“I hope you don’t mind my saying this.”(気を悪くせずにお聞きいただきたいのですが)といったいかにも「上級者感」満載の表現だってできるようになるのだ。

 もちろん、本書は基本動詞を使った表現の紹介だけを終始おこなっているのではない。ひとつひとつの動詞の解説も怠っていないのである。

■“come”は「来る」ではない!?

 英語を使う上で大切な動詞のひとつに“come”がある。中学生のときに「“come”の意味は『来る』だ」と教わった方も多いはずだ。しかし、“come”の意味を的確にとらえるとするなら、こうだ――「ほかの場所から『意識や話題の中心』に向かう」。このイメージをもっていれば、“come”=「来る」のイメージではとらえにくい“come to ~”「~するようになる」や“when it comes to ~”「~のことについては」といった表現の理解も容易になるだろう。

“come”を用いた表現はこのほかにも以下のようなものがある。

・come and see
・come across
・come into effect
・come down with

 いずれも本書の中で取り上げられている表現なので、答えが気になる方はぜひとも本書を参照してみてほしい。

 最後にひとつ、英語をはじめとした語学学習は一筋縄ではいかない、ということだけは言っておきたい。自分にも使えそうな表現を見つけたら、覚えていられるうちに実際に使ってみることが大切なのである。そして、この作業を地道に繰り返すことで初めて「生きた英語」が身につくのだ。みなさんには、座学ばかりに偏ることなく、本書の中で気に入った表現を実際の会話の中でどんどん使って英会話力を鍛えていってもらいたい。

文=ムラカミ ハヤト