もしも突然、極限状態に追い込まれたら…読まなきゃ絶対に後悔する『7SEEDS』【3巻無料試し読み】

アニメ・マンガ

2018/5/22

 AIが搭載された家電の登場、簡単に他人とつながることができるSNSの流行…。これらは生活を非常に便利なものにしてくれた。一方で、それに連れて、ぼくらは大切なもの、本質的なものを失っているような気もする。そんな些細な危機感を抱いている人は、少なくないのではないだろうか。

 人間の本質とはなにか――。その壮大な問いかけにひとつの解をくれたマンガがある。『7SEEDS』(田村由美/小学館)だ。本作は16年にわたって連載され、昨年、ついに完結したサバイバルマンガの金字塔。2007年には「小学館漫画賞 少女向け部門」を受賞した。

 本作のタイトルにもなっている「7SEEDS」とは、政府が秘密裏に進めていたプロジェクトの名前。これは、優秀な遺伝子を持つ人間を冷凍保存させ、崩壊後の地球で解凍し、あらためて人類を繁栄させていくことを目的とした計画だ。そして、本作では、そんな「7SEEDSプロジェクト」のメンバーに選ばれてしまった若い男女が、混乱と葛藤の中、懸命に生き抜いていく姿を描いている。

 もちろん、彼らの反応は実にさまざま。第1巻の冒頭では「7SEEDSプロジェクト」夏Bチームのひとりに選ばれた、岩清水ナツ(いわしみず・なつ)の自己嫌悪と憔悴がフォーカスされている。彼女はいじめられっ子体質で、学校も登校拒否気味だった。そんな者が突然文明の滅びた大自然に投げ出されても、生きていけるのか。

7SEEDS©田村由美/小学館

 冷凍保存状態にあった彼女たちには、地球が崩壊していく最中の記憶がない。あるのは、ただ平和で楽しかった頃の思い出のみ。ナツは家族との温かな団らんを思い出しては、涙に暮れる。

 しかし、それでも徐々に現実を理解していくナツたち。そして、自身の置かれた状況に絶望しつつも、前を向き生きることを決意するのだ。

7SEEDS©田村由美/小学館

 ナツが夏Bチームに所属しているように、「7SEEDSプロジェクト」は複数のチームで成り立っている。1チームは7人で構成されており、春・夏A・夏B・秋・冬と全部で5チームが存在する。そして本作は、それぞれのチームのメンバーを主人公として立てており、複数の視点から物語が進んでいく方式を採用している。

 第2巻で描かれるのは、春チーム。主人公となるのは末黒野花(すぐろの・はな)だ。彼女はナツとは異なり、積極的な行動派。勝ち気な性格ゆえに人と対立することも少なくないが、道を切り開く強さを持っている。

7SEEDS©田村由美/小学館

 実に多種多様なキャラクターが登場し、それぞれの思惑が交錯していく本作。ときに醜い争いを起こしたり、己のエゴを貫こうとしたりする様子も描かれるが、それは本作が人間を真正面から見つめようとしているから。極限状態に追い込まれたナツや花は、決して他人なんかではない。読者一人ひとりの中に、彼女たちの欠片が眠っているのだ。それが浮き彫りとなるからこそ、本作はこんなにも読む者の心を揺さぶるのである。

 やがて物語が進むと、バラバラだった5チームが一堂に会することとなる。人間の本質がむき出しになった状態の彼ら、彼女らが出会ったとき、いったいなにが起こるのか。そのケミストリーが、物語にさらなる深みを与えていることは間違いないだろう。そして、最終巻まで読み進めれば、きっと本当に大切なものが見えてくるはず。そのメッセージは、いまの時代だからこそ胸に響く熱いものだ。

 本作は5月22日(火)より楽天Koboにて、第3巻まで無料試し読みが可能とのこと。まずは壮大な物語の幕開けを味わってみてもらいたい。きっとページをめくる手が止まらなくなるはずだ。

文=五十嵐 大

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※『7SEEDS』3巻無料試し読み期間は5/22から5/29 9:59まで