姑やママ友から干渉されないために…境界線を引く“バウンダリー”という考え方

ライフスタイル

2018/5/20

『人間関係 境界線(バウンダリー)の上手な引き方』(おのころ心平/同文舘出版)

 姑との関係に頭を悩ませている人も多いだろう。「子供はまだ作らないの?」というふうに直接的に家庭の問題に口出しをされたり、ときどき家に遊びにきてそのまま夜まで居座られたり、直接何か言われなくても行動を監視されているように感じたり…。

 こうした姑の行動にイラっとしてしまうのは、自分と姑との間にある境界線(=バウンダリー)が曖昧になり、姑が“自分の領域”にズカズカと踏み込んできているからだ。本来自分たちが決めることや、自分が自由に行動できることに、当事者以外の意見や目線が過剰に入り込む…だから不快なのである。

 本書『人間関係 境界線(バウンダリー)の上手な引き方』(おのころ心平/同文舘出版)は、この“バウンダリー”の考え方を知ることで、大切な自分の領域(=ココロ)を守り、こうした人間関係のトラブルを避ける方法を提案している。具体的に見てみよう。

■ママ友から詮索されるのが苦痛

 ヒトミさんは、いわゆる“ママ友”Tさんとの関係で悩んでいる。幼稚園で会うたびにTさんから「ちょっとお茶しにいかない?」と誘われるのだが、そのときとにかくヒトミさんや、他のママたちのプライベートを細かく訊いてくるのだとか。ヒトミさんは、あいまいに応えることでやんわり断っているものの、Tさんの誘いと詮索はなかなか減らない。Tさん自身はあまり自分の話をしないため、自慢をしたいわけではないようなのだが…。

 著者によれば、Tさんは「情報が欲しいんじゃなくて、安心したい」のだという。そのため、今の根掘り葉掘り情報を探られる関係から、不安を解消してあげる関係へと、バウンダリーを引き直すことが有効なのだとか。具体的には、「何か不安なことがあるの?」と訊いてみることで、Tさんが内側に抱えている不安を引き出してみる。サポートする関係へと変化すれば、Tさんも本当に不安なときにだけ誘ってくるようになり、ちょうどいい関係が築ける可能性があるという。

■凛とした人になる バウンダリーの7つの習慣

 日常的な振る舞いを工夫することで、相手に必要以上に踏み込ませない空気を作り、こうしたバウンダリーの問題を未然に防ぐこともできる。本書では、そのための7つの習慣を紹介している。

1 初対面の第一印象を重視する
2 謎めいた雰囲気を醸す
3 専門的に多弁
4 ちょっとした不安を相手に与える
5 「強烈な第二印象」をつくる
6 決定習慣をもつ
7 会話をまとめる癖をつける

 私が「これは明日からできる!」と頷いたのは、6の「決定習慣をもつ」だ。人間関係に悩んでいる人の多くは、誰かに決定権を奪われている。それは、「主人がこう言うから…」「上司に言われてしかたなく…」というように、相手に決定権をゆだねながら、その決定に不満を抱いている状態だ。

 著者によれば、自分の人生に自分自身の主導権を取り戻すためには、日ごろから些細な事でも「自分で決定する」ことが大切だという。例えば、友人とランチに行くとき、事前に候補を用意しておいて、決まりそうにないときに「ここにしようよ」と自分から提案してみる。こうした行動は、周りに「自分は決める人だ」という印象を与え、人間関係においてもバウンダリーをうまく引きやすくしてくれる。

“バウンダリー”の考え方で人間関係の問題を見直してみると、思いがけない共通点や解決策が見えてくる。コミュニケーション過多な現代だからこそ、自分と他人の境界線をはっきりさせ、消耗しない生き方を目指そう。

文=中川 凌