常識から脱却してブラック企業とおさらば! ひろゆき流「攻め方」と「守り方」とは?

ビジネス

2018/5/29

『働き方完全無双』(ひろゆき/大和書房)

 唐突だが、幸せな生き方とは何だろうか。その問いの答えは十人十色だろう。しかし生き方というものについて考えるとき、ほとんどの人が「仕事」をすることを前提に考えるかもしれない。それは常識的な価値観だ。

 しかし時代の流れとともに常識の在り方も変わってくる。現在の「働き方改革」の流れもその一環だといえるだろう。これは、一旦立ち止まって現状の働き方を冷静に見つめ直すための試みでもあるのだ。

 そんな時代の転換期にこそ読みたい書籍として私が強く推したいのが『働き方完全無双』(ひろゆき/大和書房)である。著者は2ちゃんねる開設者・元管理人として有名なひろゆき(西村博之)氏だ。

 本書の特徴は、個人の「攻め方」と「守り方」の両方の側面からこれからの働き方の指針を提示している点にあると私は感じる。著者は現在の日本の状況を“オワコン”だとしたうえで、社会を変えるほどの力を持たない個人の賢い生き方を説く。「無双状態で働く」という目標のため、ブラック企業に頼らず個人で“ワンチャン”を狙うためにはこの両者が欠かせない。

■大物YouTuber、歌い手…etc.――ある日、「ゲタを履く」瞬間

「好きなことで、生きていく」というYouTubeの有名なキャッチコピー。確かに、ヒカキンさんをはじめとする、有名なYouTuberのような生き方に憧れを抱く人も多いようだ。また同じような職種としては、ニコニコ動画の“歌い手”なども挙げられるだろう。

 しかし、その成功者たちが一般人を凌駕する特殊な才能を持っているのかというと、多くの場合はそうではなかったりするものだ。では、その差は何だろうか?

 その成功者たちに共通しているものは、「新しいものに首を突っ込んで」「何かを常にやっていた」ことだ。

何か新しいサービスの上にいる人は、「そこにたまたまいる」というだけで突然、ゲタを履ける時期があるのです。(本書44ページ)

 2ちゃんねる管理人として有名になった著者も、その成功は特別な自身の「能力」の賜物などではなく、「匿名掲示板の仕組み自体は元々あったけれど、途中でやめちゃう人が多く、たまたま僕だけが長く続けたから」だと語っている。

■ブラック企業は「根絶やし」にせよ――自分を守るための「録音」

 第1章では“オワコン”な社会で幸せに稼いで生きていくための「攻め方」が説かれたが、第2章ではその“オワコン”な社会に殺されないための「守り方」が取り上げられている。

 現在ブラック企業から抜け出そうともがいている真っ最中の人もかなり多いように見受けられる。そんな人々に向けた実践的なアドバイスとして、著者は「企業側の不当な行動を録音、あるいは録画しておく」ことを勧めている。弱い立場の労働者だからこそ、「残業代が支払われていないこと」や「パワハラ発言があること」などの証拠を押さえておくことが重要となる。

 証拠があれば弁護士に相談する際に自分が有利になることはもちろん、今の時代はSNSで拡散すれば賛同者を集めることだって可能な時代だ。不当なことがあったときに泣き寝入りするのではなく、常に証拠を押さえるという姿勢を持つことは、重要な自分の「守り方」だ。

 以上本書の第1章と第2章の、個人の「攻め方」と「守り方」についての著者の論考の一部をご紹介したが、本書には他にも、会社というシステムの問題点の解説やこれからの日本社会への提言などがあり、その内容は充実している。

 社会において弱い立場にある者こそ、ひろゆき氏のような理論武装をすることの重要性は増してくる。沈みゆく日本。“オワコン”な社会に潰されることなく個人の力で「生き方」を築き上げていくために、非常に参考になる書籍だ。

文=K(稲)