2巻発売記念PVの声優豪華すぎ……! 話題沸騰中のブラック体操のお兄さん

マンガ・アニメ

2018/5/28

『うらみちお兄さん』(久世岳/一迅社)

 累計50万部を突破した『うらみちお兄さん』(久世岳/一迅社)の2巻が早くも発売された。子ども向け番組の明るい「体操のお兄さん」が、社会の荒波にもまれ、幸せとは、生きるとは……という人生の悲喜こもごもに惑い、葛藤するギャグマンガだ。

 うらみちお兄さんの「暗部」とも言える内面と、社会に順応するための「偽りの明るい姿」のギャップが、たまらなく面白い本作。「表田裏道(おもたうらみち)、31歳、独身」「元・体操選手。体幹は安定しているが、情緒は不安定」という2巻冒頭のページから既に笑った。

 だが本作は、ただのギャグマンガではない。

「会社しんどい」「リア充怖い」と現実に「疲れ」を感じつつも、長年の社会人生活で染み付いた「愛想」や「カラ元気」などの「自分を偽る処世術」を、身に付けたくもないのに、身に付けてしまった読者には、笑いや共感を通り越し、涙さえ出てくる物語なのだ。

 さて、Webで連載していた時から好きで読んでいたこともあり、以前に1巻のレビューをさせてもらっていた(その記事はこちら //ddnavi.com/review/407032/a/)。

 そして早くも第2巻の発売ということで、私は本記事を書く前から書店でチェック済みだったのが……その時、2巻を買わなかった。

 実は……「1巻は面白かったけど、2巻でも同じノリだとしたら、同じパターンの笑いってマンネリ化するし、面白くないだろうな」と……本当に包み隠さずに言うと、そう思い「ま、買わなくてもいっか」と未購入だったのだ。

 しかし、いざ最新刊を読んでみると、はっきり言って1巻よりも面白かった。「うらみちお兄さんが社会を嘆く」という「ネタの質」は確かに変わらないのだが、様々な角度から飛び出す、うらみちお兄さんの名言は、やはり格別だった。

 よい子のみんなにも、類まれなる才能が眠ってる可能性が大いにあるわけだけど、自分の進む道は自分で選んでいいんだからね。周りの人間は最後まで付き添ってはくれないんだよ。努力も苦悩も誰も一緒に抱えられないし、最後はみんな等しく一人なんだからね。

 ……「最後はみんな等しく一人」という部分が、心に刺さります、うらみちお兄さん……。

 さらに今回は、お兄さんだけではなく、その他の登場人物たちの魅力が掘り下げられている。それが「1巻よりも面白い!」と思った大きな理由だと思う。

 売れないお笑い芸人と付き合い、結婚に焦るアラサー「歌のおねえさん」詩乃(うたの)。眉目秀麗で演技力も歌唱力も抜群なのに、天然おバカな「歌のお兄さん」池照(いけてる)くん。うらみちお兄さんの大学時代の後輩で、現在は動物の着ぐるみを着て同じ番組に出演している「クマオくん」ことクールな熊谷くん。いじられ役の「ウサオくん」こと、兎原くん。

 それぞれの個性が1巻以上に光っており、かなり充実した内容になっていた。

 私は久世先生の別の著作『トリマニア』も好きで読んでいるのだが、久世先生の作品は、とにかくキャラクターが魅力的なのだ。全員よくも悪くも個性的で、決して善人じゃないけど、憎めなくて……という「愛おしいキャラ」が多い気がする。

 というわけで、1巻より、2巻の方が面白かった。私のように「1巻は買ったけど」という方は、ぜひとも読んでほしい。

 ちなみに、連載だけでは読めない、お兄さんが「地獄の極み」と称する「職場の人たちとの慰安旅行」話や、熊谷や兎原の学生時代の話などの描き下ろしマンガも収録されている。

 さらに、2巻発売の記念PVの声優は、うらみちお兄さんが神谷浩史さん、熊谷が中村悠一さん、兎原が杉田智和さんと超豪華な面々となっている。こちらもめちゃ面白かったので要チェックだ!

文=雨野裾