英会話は“ステイタス”ではない。世界のエリートから学ぶ超シンプル英語勉強法

ビジネス

2018/6/13

『世界で活躍する日本人エリートのシンプル英語勉強法』(戸塚隆将/ダイヤモンド社)

 アメリカの経済誌ハーバード・ビジネス・レビューによれば、「世界で英語を話す人の約8割弱が非ネイティブ」だという。つまり、世界で英語を話す人の大半は母国語とは別に学んで英語を身につけた人々なのだ。ときに先進国の中でも日本人は英語下手と言われる。日本と海外の英語教育は何が違うのだろうか?

「日本人は英語を難しく考えすぎています。すでに義務教育で英会話の土台はできています」と、『世界で活躍する日本人エリートのシンプル英語勉強法』(ダイヤモンド社)の著者・戸塚隆将さんは訴える。ゴールドマン・サックスに入社し、ハーバード・ビジネス・スクールでMBAを取得したという、いわばエリートの彼でも、本格的な英語学習を始めたのは社会人になってからという。

 日本人は「できる、できない」の二択で考えがち。ネイティブスピーカーのように喋れなければダメだと気負いすぎているのだという。現にゴールドマン・サックスの内で使われる英語はとてもシンプルだそうだ。

 入社当時、著者が手本とした日本人の上司の英語を聞くと、

・「We should do~(わが社は~すべきだ)」
・「You need to think about~(あなたたちは~のように考える必要がある)」
・「I believe~(私は~のように考える)」
・「It is because~(なぜならば~)」

 といった決まった表現を頻繁に用いていた。基礎的な単語ばかりなのに、その上司の発言には説得力があり、ネイティブスピーカーの社員も真剣に耳を傾けていた。

 そこから著者が気づいた、英会話のポイントは3つだ。

・結論が明確で、短く、わかりやすい
・論理が明確で、ストレート
・簡単でわかりやすい語彙

 実際には、堂々と主張を述べる態度や、周囲の意見を聞き取るリスニング力も必要というが、ネイティブスピーカーと話すときは、まず結論をはっきりと伝えることが大事なのだ。私たちの日本語は曖昧な表現が多いために、そのまま英訳しようとして英会話の難易度を上げている面もあるのだろう。

 名だたる大企業の経営者にしても結論ありきの話し方をする。スピーチの名手として知られるアップル社のスティーブ・ジョブズ氏も、冒頭で「Today I want to tell you three stories from my life.(今日は私の人生から3つの話をしたいと思います)」といったように、「言いたいことは3つ」と結論を先に言ってしまうテクニックで聞き手を引き込んでいた。

 発音にしても自信を持ってゆっくりと、大きな声で話せばアクセントを気にする必要はない。例えば、日産のカルロス・ゴーン氏もフランス語訛りの英語だが、聞き間違えようのない簡単な単語や表現を繰り返し多用する。これもわかりやすい英会話のお手本だという。

 本書では、「英語はステイタスでもないし、ファッションでも、教養でもありません」とシンプルな英語の重要性を説いた上で、そのシンプル英語を90日間でマスターする勉強法を解説している。

 英会話はハードルが高いと思っている人こそ、このシンプルな英語に感動するはずだ。私も英語に触れるのは学生時代以来だが、この本に出会って英語の楽しさにようやく気づいた思いだ。

文=愛咲優詩