汗が臭い人は思考が鈍い? “におい”をマネジメントしてデキる人になろう!

暮らし

公開日:2018/7/4

『なぜ一流の男は匂いまでマネジメントするのか?』(五味常明/かんき出版)

 あなたは自分の「体臭」のケアをしていますか? 仕事、恋愛、家族関係が思うようにいかないのは、もしかしたら体臭をほったらかしにしていることが関係しているかもしれません。『なぜ一流の男は匂いまでマネジメントするのか?』(五味常明/かんき出版)は、人の印象を左右し人生まで変えてしまうという、人間の発する「臭い」について、その原因と改善策をわかりやすく解説していく1冊です。五味常明氏はクリニックの院長を務め、体臭・多汗研究所所長という肩書きで、体臭研究の第一人者として知られる人物です。

■加齢臭に効果的な“食材”は、スーパーでも買える

 本書掲載のアンケートによると、「上司や同僚がくさいと感じた時、一緒に仕事をしたくない」と思う人がなんと4割以上もいるとのこと。近年は“スメハラ”という言葉もあるように、体臭が気になって仕事に集中できない経験があるという人は6割近くいるというのです。きつい体臭は、これほどビジネスに悪影響を与えるものなのです。それらの事実を踏まえて「仕事ができる人ほど臭いへの配慮をしている」と著者は述べます。

 本書では「加齢臭・ミドル脂臭」「口臭」「汗の臭い」「足の臭い」「頭の臭い」のお悩み別に、それぞれ発生するメカニズムと対処ケアの方法が学べるようになっています。これは、実際には臭っていないのに自分は臭いのではないかと心配になる「自己臭恐怖」で悩んでいる人にも参考になるものです。

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「体臭」は健康状態と密接な関係があるため、お酒を控えめにして、肝臓によい良質なタンパク質を含む牛乳や卵、シジミ、豆腐を積極的に取るようにするなど健康を保つ食生活を心がけることが大切だそうです。

 食生活だけでなく不摂生な生活は、肥満や生活習慣病とともに、加齢臭の発生度合いも高くするといいます。加齢臭のもととなる成分・ノネナール対策のために抗酸化作用のあるものを食べ、脂肪の摂取はなるべく控える。またドロドロの血液のにおいを発生させないようにするためには、メカブがオススメだそう。不摂生な食生活と体の疲れは、汗からアンモニアを排出させる「疲労臭」も発生させます。

■汗が臭い人は思考が鈍い…そのワケは?

 疲労臭ではない「汗」のにおいは、水分量が多くサラサラの汗であればさほど臭くないそう。臭いのは濃度があって、皮膚の上で細菌を繁殖させる汗。これは蒸発しにくいため体温を下げる機能があまり働かないので、頭がボーッとしている状態になりがちなことから、「汗が臭い人は思考が鈍い」ともいえるのだそうです。クリアな頭で日々仕事をするためにも、「いい汗」をかきたいものですね。本書では自宅のお風呂で簡単にできる、「汗腺を鍛えるトレーニング」を紹介するほか、「靴の臭いはたった20円で消せる」「塩洗髪のススメ」など、どれも人に教えてあげたくなるようなにおいケアの方法が満載です。

 体臭はあって当たり前。大切なことは無臭にすることではなく「自分の体臭をきちんとマネジメントし、匂いとして人に認知させること」なのだそうです。においケアを常識的な習慣にして、今までの臭いにはサヨウナラ! 「臭い」を「匂い」に変えて、人生をより充実させましょう。

文=泉ゆりこ