【HSCの育て方(乳児期編)】5人に1人の割合で存在! 夜十分眠れない子は可能性アリ!?

出産・子育て

更新日:2018/8/3

『ひといちばい敏感な子』(エレイン・N・アーロン:著、 明橋大二:翻訳/ 1万年堂出版)

 突然だが「HSC(Highly Sensitive Child=ひといちばい敏感な子)」という言葉を知っているだろうか。子ども全体の15~20%の割合で存在するといわれているが日本での認知度はまだ低い。HSCは、生まれつき人一倍敏感な感覚を持っている。そのためママ友や学校の先生から「他の子と違う」と言われてしまったり、発達障害だと思われてしまったりすることも多い。親自身もどう我が子と向き合っていけばよいのか悩んでしまうこともある。そんな悩みを解決すべく、日本初のHSC解説本『ひといちばい敏感な子』(エレイン・N・アーロン:著、 明橋大二:翻訳/ 1万年堂出版)から全4回に分け、成長段階ごとにできるHSCの我が子への接し方をご紹介していきたい。

■よく泣く子がHSCだとは限らない!

 生まれたばかりの我が子がHSCであるかどうか見極めるのは、とても難しい。なぜなら、泣く子が必ずしも人一倍敏感であるとは言えないからだ。そのため、HSCであることを見極めるには泣く頻度よりも、我が子の「注意力」をチェックすることが重要になる。本書では実際に生後2週間で母親の動きを目でしっかりと追う様子からHSCかもしれないと気付けた例が紹介されている。

 そして、HSCの多くは生後6カ月頃になると、非HSCに比べて眠りにくかったり、すぐ目を覚ましたりしてしまうといった特徴も見られるそう。実際に、ある小児科医が見ている乳幼児のうち、夜十分に眠れない約25%はほぼ全てHSCであったという報告も本書には記されている。

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 こうした乳児期のHSCと向き合うには、「愛着」や「同調」、「自己コントロール」といったキーワードが大切になる。HSCには非HSCよりも安定した愛着や「ママは分かってくれている」と感じられる経験を与える必要がある。心からの愛着や親の同調を与えることは、子どもの自主性や探究心を伸ばすことにも繋がり、人一倍敏感であっても人生を自己コントロールしていけるようになるのだ。

 HSCは非HSCよりも幼児期に手がかかることも多いが、親は常に100%の対応をしようと意気込みすぎず、等身大の愛情を注いであげることが大切になる。HSCの心を健やかに育むためには愛されているという実感を与えることが重要なのだ。

『HSCの子育てハッピーアドバイス』(明橋大二:著、太田知子:イラスト/1万年堂出版)には、マンガで分かりやすくHSCの特性や子育てのポイントが記されているので、「うちの子はHSCかもしれない」と思ったらまず手に取ってもらいたい。なお、次回は悩みが増えやすい幼児期の対処法をご紹介するので、ぜひ併せてチェックしてみてほしい。

文=古川諭香

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