フルーツサンド、プリン・ア・ラ・モード…あまいものと楽しむ昭和の時間。その魅力とは?『純喫茶とあまいもの』著者コメントあり

食・料理

更新日:2018/7/27

『一度は訪れたい30の名店 純喫茶とあまいもの』(難波里奈/誠文堂新光社)

 純喫茶と聞くと、おいしいコーヒーや昭和の雰囲気が漂う店内をイメージしますが、純喫茶の魅力はそれだけではありません。コーヒーと同じくらいマスターのこだわりがうかがえるのが、その店でしか食べられないスイーツの数々。

 7月3日に発売された『一度は訪れたい30の名店 純喫茶とあまいもの』(誠文堂新光社)には、首都圏にある純喫茶30店の魅力と、店内でしか味わえないさまざまな“あまいもの”が登場します。

 同書に掲載されているのは「パフェ」「プリン・ア・ラ・モード」「ホットケーキ」「フルーツサンド/トースト」「ケーキ」「飲みもの」という、6つのあまいもの。同じメニュー名がついていたとしても、まったく違う素材を使っていて、デコレーションの個性もさまざま。

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 喫茶店の定番「パフェ」ひとつをとっても、旬の苺をふんだんに使い、伝統のバニラアイスクリームをのせる資生堂パーラーのパフェは同書でも「見た目・味・雰囲気よしのパーフェクトデザート」と評される一品!

 一方、新宿にある老舗純喫茶「名曲・珈琲 新宿らんぶる」のパフェは、材料と量、盛り付ける順番は同じなのに、作る人によって見た目が違う、まさに「個性を楽しむ」パフェ。資生堂パーラー、らんぶると、それぞれ方向性は違っていても、その根底には作り手のこだわりが垣間見えます。

 そして、同書でお店のあまいものを取材、執筆している難波里奈さんは、全国各地の純喫茶を巡り、SNSや著書を通して魅力を発信している東京喫茶店研究所二代目所長。「ステキなお店が多数あるので、掲載店舗を絞るのはとても苦しかったです」と話す難波さんに『純喫茶とあまいもの』制作時のエピソードをお聞きしました。

「2017年の7~9月の取材日は、朝早くから夜までずっと出かけている状態でした。営業時間外にお店に伺って取材をさせていただき、お店の方たちは私たち以上に大変だったと思うので、感謝しかないですね」

 昨年の夏は取材づくしだったと、振り返る難波さん。日によっては、1日に4軒のお店を訪れたこともあったとか!

「1日にホットケーキ3枚×3店舗、クリームソーダ6杯、パフェ3つ、コーヒー3杯ずつ……という日もありました。もちろんそのすべてのお店で、注文したメニューは編集担当、カメラマンと私の3人で残さず完食。しばらくはプライベートであまいものを欲さないくらいの量を食べましたね。でも、大好きな純喫茶に連日通うのは、とても楽しかったです」

 そんな純喫茶愛にあふれる難波さんに、ダ・ヴィンチニュースにちなみ、読書にピッタリなお店をお聞きしました。

「武蔵境にある『くすの樹』はいかがでしょうか? 本館と別館のシャトーがあるので席数が多く、喫煙席と禁煙席に分かれていてのんびりできるはず。『マーブルパフェ』などのあまいものはもちろん、食事メニューも充実しているので、どんな時間帯に訪れても楽しく過ごせます。夜遅くまで営業している点もうれしいですね」

「くすの樹」は『純喫茶とあまいもの』にも掲載されているお店。『純喫茶とあまいもの』を手に、くすの樹で読書に耽けるのもオツですね……! 同書は、どんな人にオススメなのでしょうか?

「表紙を見て、気になった方にはぜひご覧いただきたいです! あまいものがお好きな方、コーヒーがお好きな方、誰かとおしゃべりをしたい方も、本に載っている純喫茶を訪れた日の帰り道は、楽しい気分になれることをお約束します」

 純喫茶の楽しみ方は十人十色。お店こだわりのメニューで、あまい時間を過ごしたくなる一冊です。

文=真島加代(清談社)