「嫉妬」は「動物的な発作」? 簡単過ぎる「嫉妬・劣等感」の撃退法!

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公開日:2018/8/7

『消したくても消せない嫉妬・劣等感を一瞬で消す方法』(大嶋信頼/すばる舎)

 一度も嫉妬したことがないという人は、いないのではないだろうか? もしいたとしたら、ものすごい「幸せな人格者」だと思う。反対に、なぜかいつも自分が「嫉妬される対象」になってしまい、苦しんでいる方もいるはず。

 人間である以上、「嫉妬」や「劣等感」から逃れることはできない。だが、その苦しみを解消する方法はある。

『消したくても消せない嫉妬・劣等感を一瞬で消す方法』(大嶋信頼/すばる舎)は、「嫉妬や劣等感がどのような仕組みで起こるのか、脳科学と心理学の観点から説明」し、それらを「一瞬で切り替える方法」が書かれている。

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 著者はカウンセリング歴25年、著作物のシリーズ累計25万部突破の人気心理カウンセラーの大嶋信頼先生。

 大嶋先生いわく、嫉妬とは「動物的な発作」であり、コントロールできないものだという。犬が自分のご飯を他の犬に食べられそうになって、威嚇するのと同じ。「奪われる!」=「餓死して死んじゃうかも!」という危機感スイッチが本能的に作動するのだ。

 人間の場合は、愛情やお金、地位、自身への注目などが、他人によって「奪われる!」という危機意識から、嫉妬の発作が起きて「破滅的な人格」になってしまう。嫉妬することは生物として当たり前であり、それによって相手に抱く「蹴落としてやりたい」「失敗すればいい」といった「醜い感情」も、恥じることはないのである。

 さらに嫉妬の発作が起こる原因を突き詰めていくと、「愛情や注目が奪われる」ことによって、自分が「孤独になる」のを恐れ、発作の引き金になっているそうだ。しかし、人間社会で嫉妬すればするほど、自分の評価が落ちて周囲からは見放される。その状況が怖いので、さらに嫉妬して注目を浴びようと必死になり、ますます自分の周りに誰もいなくなる……という悪循環に。

 そうならないために、自分の嫉妬を客観視することが大切。つまり、嫉妬は発作なので、「誰の脳にでも起きてしまうこと」だと割り切るのだ。

「誰かに対して『批判的、否定的、そして怒りが止まらない』という状態になっていたら、『これが嫉妬の発作なのかもしれない!』と思うようにすることが、発作を止める大切なステップ」とのこと。

 また、「あの人ずるい!」と嫉妬心を抱いた時、頭の中が幼稚園児になっているそうなので、「未来の自分の脳を真似する」といいそうだ。5年後、もしくは10年後の自分を想像してみると、子どものような、どうしようもない嫉妬心も薄れていくとか。

 こうして嫉妬の発作に向き合っていると、発作そのものが起こらなくなってくるという。嫉妬せず、他人の成功を自分のことのように喜べるようになれば、他人との「一体感」が生まれ、嫉妬心の裏側に隠された、本当に自分が恐れている「孤独感」も解消できるのだ。

 本書では、他にも「相手から嫉妬されてしまう」場合の対処法や、学歴、外見、恋愛などの劣等感を払拭する方法も紹介されている。

 ズバリ、解決方法を一言で言ってしまえば「自分の好きなように生きて、ストレスを溜めない」こと。……それができたら苦労しないよ、と思う方がほとんどだと思うので、どうしたらそんな風に考えられるのか、具体的な撃退法は、本書を読んで参考にしてほしい。

文=雨野裾