試験の朝に「きんぴらごぼう」を食べると上手くいく!? 子どもの集中力と食との意外な関係とは

出産・子育て

2018/9/15

『子どもの「集中力」は食事で引き出せる』(上原まり子/青春出版社)

 出産を機に「食」を見直したという人は多いだろう。そうした食育ママさんたちの多くが一目置く食事法、それが「マクロビオティック」(以下、マクロビ)である。

 なぜマクロビが注目されるのか、子どもにどんな好影響を与えてくれるのか、そんなことを知りたい方におすすめの1冊が『子どもの「集中力」は食事で引き出せる』(上原まり子/青春出版社)だ。

 中学校英語科教諭、イタリア留学、外資系OLを経て、現在、マクロビ料理教室「マクロウタセ」を主宰する著者の上原氏。グルメ志向が変わったのはやはり出産後。現代食が体に負担になることを知りマクロビを始めたそうだ。

 著者によればマクロビとは、「宇宙に存在するエネルギーを上手に活用し、人間も自然界の一員として、その中でバランスを取ることを大切にした、よりよく生きるための方法(食事法&健康法)」。自然則から導かれているため、子どもから大人まで、誰にでもマッチするのが大きな魅力だ。

■集中力が必要な試合や試験の日。朝のメニューは何が正解なのか?

 そんなマクロビの特徴は、「気をゆるめる食事」「気を引き締める食事」といった考え方があること。たとえば、今日は息子の大事なサッカーの試合。そんな日の朝、あなたはどんな朝食メニューを考えるだろうか? 著者によれば、正解はこうだ。

気を引き締めたいときのおすすめメニューは、おにぎりや太巻き。キュッとまとめるエネルギーで集中力もアップしますし、梅干しや昆布などの具もそれを助けてくれます。

 梅干しはミネラルも豊富で疲労回復効果もある。口をキュッとすぼませたくなるように気を引き締める効果がある。梅干しは「塩、しそ、梅のみ」で作られた本物を選び、塩も天然塩(自然塩)がいいそうだ。

 さらに、入学試験など特に集中力を必要とする際には「きんぴらのパワーが役立つ」という。その理由はこうだ。

 きんぴらの材料となるごぼうとにんじんは、どちらも根菜。「根菜は土に深く根を張る力があり、地に足がつき、土台をしっかり作る、足腰を強くする食材。栄養価も高く、体を温めて、気を引き締める作用がある」という。

 また食材を千切りにする所作も重要だ。「千切りは千回も自分の気を入れられる調理法。エネルギッシュな料理になる」と著者はいう。

 ぜひ、合格祈願の祈りを込めて、千切りをしてみよう。その際、みりんや砂糖などは気が緩むので使わず、醤油だけを使うのが著者流。本書には、巻末付録として「子どもが喜ぶ 集中力アップ 特選レシピ」がついているので、詳細はそちらを参考にしてほしい。

■糖分の取り過ぎは「気が散りやすく」「キレる」原因にもなる

 一方、集中力が必要な際に避けたいものは、菓子パン、ジュースなど、砂糖を使った甘いもの。「砂糖にはリラックス効果があることが知られているが、エネルギー面からみても『気をゆるめる働き』がある」という。

 また砂糖には、血糖値の急上昇による興奮作用もあり、気が散りやすくなる。キレる原因も砂糖中毒が一因なのだそう。

 そのため著者は、「おやつ=子どもが喜ぶ甘いもの」という思い込みをやめて、なるべく早い段階から「おにぎり、干したお芋、トウモロコシ、栗、豆類、旬の果物、甘酒、米飴」などをおやつにすることをすすめている。

 マクロビではこのように、食材に含まれる栄養素、味、水分量、糖分、採れる季節などによって、「ゆるめる力=陰」が強いもの、「引き締める力=陽」が強いもの、どちらでもない「中間の中庸」に分けて、摂取するタイミングを考えるという。

 そして先例のように、目的に合わせて陰陽を使い分けて食べたりもするが、最終的にはしっかりと陰陽バランスが取れた食事を心がけて、心身の健康に役立てているそうだ。

 本書には、陰・陽・中庸それぞれの特徴や、どんな食べ物がどれに該当するかがわかる簡易表「食べ物の陰陽表」も掲載されている。それらを参考にしながら、食のバランスを学ぶことができる。

 本書では、マクロビのその他の特徴も学べる他、著者が分類する「5つの気質」のどれに自分の子どもが属するかを、好きな食べ物から簡易診断できるコーナーもある。それぞれの気質の特徴と、その気質の子どもにおすすめの食プランなども記されているので、ぜひ、活用していただきたい。

 子どもとママがともに幸せになるための食育アイデアが満載の本書。マクロビに関しても専門的になり過ぎず、わかりやすく重点ポイントを教えてくれる。本書で食と心身のつながりについて深く学び、新しい食のスタイルをすぐにでも実践してみてほしい。

文=ソラアキラ