子どものねこ背やかたい体に! シニアから子どもまで健康になれる1日5秒「ひざ裏のばし」

健康・美容

公開日:2018/9/28


「健康的で若々しい体を保ち続けていきたい」という思いは誰もが持っているものだが、ストイックな運動で体のコンディションを維持し続けていくのは、なかなか難しい。そんな悩みを抱えている方に紹介したいのが、『体がみるみるよみがえる! 5秒ひざ裏のばし 完全ガイド』(川村明/主婦の友社)だ。

 本書には高齢者だけでなく、女性や子どもにも実践してほしいひざ裏のばしストレッチが掲載されており、ひざ裏を伸ばすことの大切を教えてくれる。

■ひざ裏のばしで体のゆがみを改善!

 ひざの裏側は日頃あまり意識することがない部位だが、実は二足歩行をする私たちにとっては要となるパーツ。その証拠に、私たちが普段行っている「立つ」「歩く」「座る」「走る」といった動作は全て、ひざが起点になっている。

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 著者の川村明氏によれば、人間は年齢を重ねるにつれ、体を伸ばす筋肉が衰えてくるが、ひざ裏を伸ばせば筋肉は鍛えられ、下半身の血液を上手く循環させられるようになるのだそう。また、ひざ裏を伸ばせば、体のゆがみも改善することもできるという。

 私たち人間は伸展力を使い、上体をまっすぐに立てて二足歩行している。しかし、伸展力の起点となるのはひざ裏であるため、年齢を重ね、ひざ裏の筋肉が縮んで硬くなってくると、筋肉の連鎖反応が起こり、姿勢が悪くなってしまう。

 姿勢がゆがむと呼吸が浅くなる、全身の血流が悪くなる、脳への酸素供給が低下など、様々な支障が現れ、体調不良に陥ってしまう可能性も高くなる。

 しかし、日頃からひざ裏を意識的に伸ばしていれば、こうした事態を防ぐことができ、美しい姿勢を保てるようになるのだ。では、一体、どういうストレッチでひざ裏を伸ばしていけばよいのだろうかを詳しくご紹介していこう。

■1回5秒でもOK! 3つのひざ裏のばしポーズとは?

 川村氏が考案したひざ裏のばしは、「壁ドン」「壁ピタ」「ワン・ツー・スリー」の全3種類。どのストレッチも1回5秒で行えるため、習慣化させやすい。3つのポーズはそれぞれ違った効果を与えてくれるので、全種類を毎日行っていこう。

 例えば、壁に両手をついて行う壁ドンストレッチは、傾いた骨盤をまっすぐにしてくれるだけでなく、上半身の柔軟性も高めてくれる。


 腹圧により胃や腸の血行が良くなり、内臓も元気になっていくため、食欲不振も解消してくれやすい。

 そして便秘に悩んでいる方は、壁ピタドローインを実践してみよう。


 全身の伸展力を再構築してくれるこのストレッチは、内転筋を鍛えてくれるのでO脚の改善も期待できる。はじめのうちは上手く壁に体がつけられない方もいるかもしれないが、あきらめず日課にしてみてほしい。

 また、頭をスッキリとさせ、やる気を出したいときはワン・ツー・スリー体操がおすすめだ。


 力士の土俵入りを思い起こさせるようなワン・ツー・スリー体操は太ももを3回たたいて、アドレナリンを分泌させるのがポイント。自律神経が整い、体温調節ができるようにもなるので冷え性に悩んでいる女性もぜひ、試してみてほしい。

 3種類のストレッチは1回5秒でも効果が得られるが、1回1分を目安にするとより変化が実感しやすくなる。各ページには実践するときのポイントや注意点などが詳しく記されているので、ぜひチェックしてみよう。

■ひざ裏のばしで子どもも変わる!

 ひざ裏のばしは、ある程度年齢を重ねた方向けのストレッチだと思われるかもしれないが、実は子どもの姿勢も改善してくれる。

 現代の子どもは室内で遊ぶことが多いため、体がかたかったり、姿勢が悪かったりすることも少なくない。こうした子は筋肉や骨が育っておらず、将来、骨粗しょう症が心配される。しかし、ひざ裏のばしで筋肉を鍛えれば、そんな不安が解消させられるのだ。

 子どものひざ裏を伸ばすには、親子でシーソーストレッチを行ってみるのがおすすめ。




(1)2人で向きあって、開脚して足の裏をつける。背中は立てる。
(2)腕をのばして真ん中でタオルを持つ。
(3)ひとりがタオルを引き、もうひとりは前屈をしてひざ裏をのばす。

「イーチ、ニー、サーン」と声を掛け合いながらひざ裏を伸ばすこのストレッチは、ねこ背の改善にも繋がる。子どもと楽しくコミュニケーションが取りたいときにも実践してみてほしいストレッチ法だ。

 川村氏が考案したひざ裏のばしストレッチは幅広い世代の人が抱いている体の不調を改善してくれる。本書には、体の変化を記入できるチェックシートもつけられているので、どんな効果が表れているのかを確認しながら、健康を維持していこう。

文=古川諭香