今の会社に不満があるなら「フリーランス」になろう! でも本当にやっていけるの?

ビジネス

2018/10/31

『フリーランスで行こう! 会社に頼らない、新しい「働き方」』(高田ゲンキ/インプレス)

 世間では「働き方改革」が叫ばれ、労働時間を始め企業の対応が問われている。多くの人は会社などに所属しているであろうから、他人事ではないはず。しかし私はといえば、この件に関してはあまり関係がなさそうである。なぜならば私が「フリーランス」という立場だからだ。フリーランスとは簡単にいえば「会社などに所属せず、個人の技能によって生計を立てる人」である。私の場合は文章を書く「文筆業」を専らとする「フリーライター」と呼ばれる。『フリーランスで行こう! 会社に頼らない、新しい「働き方」』(高田ゲンキ/インプレス)の作者・高田ゲンキ氏は「フリーランスイラストレーター」だが、自身の経験を漫画にすることでフリーランスとして生きるための方法を説いている。

 作者は元々、とある広告会社のデザイナーとして働いていたが、仕事内容や上司、給与待遇などに不満を募らせていた。そんなときに知ったのが「フリーランス」という生きかただったのである。もちろんそれを知ったからといって、すぐさまフリーランスになれるというワケではない。彼は周囲の人間に相談してみるのだが、返ってきた答えはほとんどが否定的なもの。普通ならここで心折れるのだろうが、彼は違った。なんと有休を取って、自らが「いちばん尊敬する人」という大寺聡氏に会うため鹿児島まで向かったのである。突然訪れた作者を快く迎えた大寺氏は彼に「フリーランスになるべき」だと告げる。この一件が作者を後押しし、彼はフリーランスの道を選ぶことに。

 とはいえ、フリーランスになったからといってすべてが順風満帆に進むわけではない。特に作者の場合は27歳と若くしてフリーに転身しており、自身の実績も少なかった。ゆえに当然ではあるが、仕事依頼がまったく来なかったのである。そして気分転換にと足を向けた飲み屋で、彼は店のマスターから「ある指摘」を受けた。それは「営業の大事さ」である。作者は「待っていれば仕事は来るだろう」と、あまり熱心に営業を行なってこなかった。しかしそれでは自分の仕事を他人に知ってもらうことはできないのである。作者は自分のイラストを売り込めそうな出版社を調べて連絡を取り、積極的な営業を展開していく。時には酷評を受けて苦い思いをすることもあったが、彼の努力は実を結んで徐々に仕事が入ってくるようになったのである。

 仕事が来れば、当然忙しくなるわけで、スケジュールの管理も重要になる。作者も来た仕事すべてを引き受けて、死ぬほど忙しい状況に陥っているが、己のキャパシティを把握して仕事量の管理を行なうこともフリーランスとしては必要なことだ。さらに仕事をすればギャランティ(報酬)が支払われるが、不誠実な会社も世の中にはあり「不払い」という問題も発生する。そういった問題にも自分自身で対応しなければならないのだ。作者は法律に強い人を妻にしたことでクリアしていたが、フリーランスを目指すならさまざまなトラブルに備えるべきだろう。

 最終的に作者は日本を飛び出してドイツへ移住し、まさにフリーランスを満喫している。ただ、彼の生きかたが誰にでもできるかといえば、そういうことでは決してない。やはり向き不向きというものはあり、この作者は間違いなく「向いていた」のであろう。ただ現在は終身雇用という時代でもないので、今の会社に不満があるならフリーランスを目指してみるのもアリかもしれない。要は自分の人生、後悔をしないようにすることが一番重要なのだ。

文=木谷誠