「カロリーオフ」食品が原因で肥満に!? ——日常に潜む肥満のもと

健康・美容

公開日:2018/11/4

『太りたくなければ、体の「毒」を抜きなさい!』(賀来怜華/三笠書房)

 若いころはスラっとした美しい体型だったのに、30を過ぎてから身体のいろいろなところに贅肉がつきはじめたという方に残念なお知らせがある。30を過ぎてから太りやすくなるのは、運動量が減ったり代謝が落ちたりするのはもちろんのこと、普段の生活でふれるあるいは摂取するものが原因である、ということだ。それらのなかにはありとあらゆる「オビソゲン(肥満のもと)」*が含まれているからだ。

『太りたくなければ、体の「毒」を抜きなさい!』(賀来怜華/三笠書房)は、わたしたちの生活の中に潜むオビソゲンをひとつひとつ取り上げ、その予防法をわかりやすく説いている。

*オビソゲン:肥満のもとになる物質の総称。ある特定の物質を指すのではなく、広く一般に肥満のもとを表す。

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■カロリーオフで肥満に!?

 昨今の健康ブームにあやかり、多くのカロリーオフ商品が世に出回っている。それらの大半に含まれているのが人工甘味料のスクラロースやアスパルテーム、サッカリンだ。こうした人工甘味料は砂糖の数倍から数百倍の甘さがあるにもかかわらず、カロリーをオフしているのである。たしかに、これら人工甘味料自体にはカロリーは含まれない。しかしながら、「だから太らない」ということにはならないのだという。

 本書によると人工甘味料の代表格であるスクラロースは、砂糖の化学構造のある部分を塩素に置き換えたものだ。これが体内で分解される際に毒性の塩化物を生み、それが腸内の善玉菌・悪玉菌のバランスを崩す。このように腸内環境が乱れることで、肥満が発生することもあるのだそう。

■オビソゲン予防は腸内環境の整備から!

 オビソゲンを予防したりその吸収を抑えたりするためにも、腸内環境を整えることは欠かせないと著者は言う。腸は本来食べ物の中に含まれる栄養を体内に吸収する器官であり、調子がよければオビソゲンの吸収を防いでくれる。ところが、腸内環境が乱れると食べ物の栄養だけでなくオビソゲンまでをも体内に取り込んでしまう“ザル”と化してしまうのだという。

 腸内を健康な状態に保っておくためには乳酸菌や食物繊維、ビタミンD3を意識的にとることがすすめられている。食物繊維は食べ物の消化・吸収を円滑にし、ビタミンD3は腸の粘膜を健康にして腸内免疫を高めてくれるのだそうだ。

 その他の腸内環境の整え方は本書をよく読んでもらいたい。

 ここまで、太りやすさには運動不足や代謝の低下以外にもオビソゲンという原因があること、オビソゲン予防には腸内環境を整えるのが効果的であるということを、本書に則して述べてきた。

 オビソゲンの影響は食べ物からだけでなく、薬用ハンドソープやスマートフォンからも出ているというから、そのあたりの予防法もさらに知りたいという方は本書を参照してもらいたい。

文=ムラカミ ハヤト