オリンピックが終わった後の日本はどうなる? 次に儲かる業界はココだ!

ビジネス

2018/11/12

『未来の稼ぎ方 ビジネス年表2019-2038』(坂口孝則/幻冬舎)

 目先に“オリンピック”という世界最大級のお祭りが控えている今、私たちの視線は否が応でも“2020年”に向いてしまう。だが、時の流れは早いもので、すでに2018年は終わろうとしており、あと1年と少しで2020年がやってくる。“人生100年、会社10年”と言われている現代に、1年先しか見ていない…というのはあまりにも危険だろう。

 そこでおすすめしたいのが本書『未来の稼ぎ方 ビジネス年表2019-2038』(坂口孝則/幻冬舎)だ。現役コンサルタントである著者が、誰もがアクセスできる統計・データを元に、2038年までの未来で起こるであろうトピックを先取りして解説するものだ。

■2020年:自動運転車が走り出し、自動車産業は転換期を迎える

 先日、トヨタとソフトバンクが手を組み、モビリティサービスの合弁会社を立ち上げるというニュースが話題を集めた。2020年には、自動運転車が本格始動し、これがシェアリングサービスと連携する。その結果、自動車は、今のように各自で購入して“所有”するものから、必要なときにその都度“利用”を選択するものに変わっていく…。ここまではすでに多くの人が想像しているだろうが、著者はもう一歩踏み込んで予想をする。自動運転が始まると、自動車が動く“金融商品”となり、新たな稼ぐ手段になるというのだ。人々は、投資目的で自動車を購入し、シェアリングサービスを利用して交通料金というリターンを得るようになる、というわけだ。

■2026年:若者マーケティングのキーは「SNSと愛国」となる

「若者がモノを買わなくなった」と言われて久しいが、実態は「若者にお金がないだけ」である。現在20代である筆者の周りを見ていても、よほど福利厚生が充実している大企業勤めでもない限り、新卒時分から貯蓄ができている人はほとんどいない。そんな現状を踏まえながら、著者が指摘する若者消費の特徴は、次の3つである。

(1)金はないけど満足
(2)等身大のカリスマが好き
(3)日本が大好き

 平成29年度の「国民生活に関する世論調査」では、18~29歳の若者は、8割が今の生活に「満足している」もしくは「まあ満足している」を選んだという(1)。さらに、消費に関しては大企業がお金をかけたCMよりも、インスタグラムのタイムライン上にいるインフルエンサーが紹介する商品のほうが売れる(2)。そして、おまけに「日本が大好き」(3)だという。この先の時代、若者に売れる商品は、「節約」「SNS」「日本」の3つがキーになりそうだ。

■2038年:世界じゅうで“教祖ビジネス”が流行する

“教祖ビジネス”という単語を見て思わず笑いそうになってしまったが、読み進めていくと確かに「これはあるかも」と納得させられる。これは、先ほど触れた“等身大のカリスマ”の発展形だと考えるとわかりやすい。すでに現在、影響力のあるインスタグラマーや、自分の名前を冠にサロンを開いている有名人たちが持つ求心力は、“信仰”と言ってもおかしくないレベルにまで到達している。もはや既存の宗教では解決できない「仕事やキャリアの成功法則」「配偶者との処世術」といった現代的な悩みに、“等身大のカリスマ”たちが解決策を与えてくれる…。「この人の意見なら信じられる」と身をゆだねることは、宗教を信じる姿勢とそう変わらない。

 本書では他にも「コンビニ」「エネルギー」「音楽」「終活」といった身近な切り口から、今後20年間で起こる変化を予測する。時代とともに人々が求めるニーズや経済事情、技術発展のレベルはめまぐるしく変わっていく。「今までのやり方が急に通用しなくなった!」と嘆くことになる前に、本書で時代の感覚を磨いておきたい。これからあなたがどんな仕事をするにせよ、“先を見る力”は必ずその土台になる。

文=中川 凌