「地震の元凶“プレート”って一体何者?」地震の専門家が教える地震、そして日本列島誕生の謎

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更新日:2020/9/1

『日本列島の下では何が起きているのか 列島誕生から地震・火山噴火のメカニズムまで(ブルーバックス)』(中島淳一/講談社)

 振り返るには少し早いかもしれないが、今年は災害の年だったと言える。台風や西日本を襲った豪雨、そして北海道で発生した地震は、まだまだ記憶に新しい。

“地震大国”という不名誉な称号で語られる我が国。だが、そもそも地震がどのようなメカニズムで発生しているのか知っているだろうか。「地球の表面を覆っているプレートが動き、ずれることによって地震が起こる」という基礎中の基礎は知っている。だが、「そもそも、なぜプレートは動いているのか?」「そもそもプレートって何?」と質問されれば全くわからない。ただ、知っているつもりになっていたことを認めざるを得ないだろう。

 あなたが私のようにうろ覚えのレベルで地震のメカニズムを知っている。そして、地震のメカニズムや火山の誕生、日本列島の誕生について興味があるなら是非おススメしたいのが『日本列島の下では何が起きているのか 列島誕生から地震・火山噴火のメカニズムまで(ブルーバックス)』(中島淳一/講談社)だ。

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 本書は、地震学の専門家・中島淳一氏によって上記の内容が解説された一冊となっている。本稿では、本書で述べられている一部分を紹介したい。

■そもそもプレートってなに?

 地震を解説するテレビや雑誌を見ていると必ずと言っていいほど登場するのが「プレート」という言葉。なんとなくは知っているけれども、よくわからない方が多いのではないだろうか。

 地球は内部であればあるほど温度が高くなり、外側つまりは地表に近づけば近づくほど温度が低くなる。その最も深い領域をメソスフェア、温度が高く流動性がある領域をアセノスフェア、最も外側に位置する地殻とマントルの最上部を含んだ領域をリソスフェアと呼ぶそう。そのリソスフェアをプレートと呼び、大陸の下にあれば大陸プレート、海の下にあれば海洋プレートとなる。

■プレートはなぜ動く?

 プレートが動き、プレート同士の境界で片方のプレートがもう片方のプレートの下に沈み込む。このことが地震の原因になっているという。理屈としては、地面の下にあるプレートが動けば、それに伴って揺れるというのは理解できる。だが、そもそもなぜプレートは動くのだろうか。

 地球の内部が熱く、外側が冷たいという状態に秘密がある。その状態だと“マントル対流”というものが発生し、その対流にのって動いているのだ。

 例えば、風呂に入っている水を追い焚きで沸かす。すると、水の上部は温まるが、下部は冷たいままだが、かき混ぜることで全体の温度は温かくなる。
 逆にもともと温かい風呂をそのまま放置すると、どうなるだろう。風呂の表面が冷たくなると、冷たい水は下部へ移動し、温かい水が上部へ移動する。長い時間をかければ、風呂の水全体が冷たくなるだろう。

 これは温度の違いによって起こる“対流”という現象。対流は流動性のある物質を効率的に温める・冷却させるメカニズムだが、地球を冷却する過程でも非常に重要な役割を担っているという。

 本書では、このような基礎的な知識から「なぜ日本列島が誕生したのか」「沈み込んだプレートの行く末は?」など、著者が研究で得た専門的な内容が存分に書かれている。地球のダイナミックな営みを科学的に知りたい、と考えるアナタは是非チェックしていただきたい一冊だ。

文=冴島友貴

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