痩せる秘訣は食事の「時間帯」。 食べても太らない“都合のいい時間”は?

食・料理

2019/1/17

『毒になる食べ方 薬になる食べ方』(森 由香子/青春出版社)

 年が明け新年のスタートダッシュをしようとしたが、どうにも頭の働きが鈍く、体も重い…。私のことだ。心当たりはいくらでもある。最も当てはまるのは、年末年始に食べたいものを食べたいだけ腹におさめたことからくる、“正月太り”だ。そして、なんだかすぐに疲れやすくなった気もする。スタートダッシュどころではない。

 そこで、手に取ったのが、『毒になる食べ方 薬になる食べ方』(森 由香子/青春出版社)だ。管理栄養士として、東京のクリニックで3000人を超える患者に食事指導を行ってきた著者が、身近な食べ物の、適切な“食べ方”をアドバイスしてくれる1冊である。本稿ではその中の一部を紹介していきたい。

■どんなに食べても、太りにくい時間帯がある

 私たちの体のリズムを刻む「体内時計」。この体内時計は、1日24.5時間のサイクルで、体内へ脂肪をためこんだりするだけでなく、睡眠などの重要な生理機能もコントロールしている。栄養学では、この体内時計のリズムが乱れると、代謝機能が低下してしまい、肥満の原因になると考えられているそうだ。体内時計は1日ごとにリセット可能で、毎日やり直しがきくという。

 そして、最近の研究成果によると、“食べても太りにくい時間帯”があることがわかってきたそうだ。その時間帯とは、「起床後12時間以内」。起床後に朝食を食べることで体内時計をリセットし、起床後12時間以内に朝食・昼食・夕食をすませれば、どんなに食べても太りにくい体になるのだ。

 しかし、仕事や家族の都合で無理だという人も多いだろう。本書では、そういった場合でも、夕食を2回に分けて、前半(起床後12時間以内)を主食にあたる炭水化物、後半(起床後12時間以降)をおかずにするといった献立の提案がされている。まずはできる範囲で取り組んでみるのもいいだろう。

■塩分の取りすぎは禁物。でも、減塩しすぎると疲れやすくなる

 生活習慣病などの対策のために、塩分の取りすぎに気を付けている人は多いだろう。スーパーに行けば減塩の調味料が目に付くし、書店に行くと減塩レシピ本が数多く並んでいる。もちろん、塩分の取りすぎは高血圧などの症状を招くが、かといって極端に取らなくなると、体液のバランスが崩れ、めまいを起こしたり、疲れやすくなったりするのだそうだ。

 そこで気になるのが、「自分は日頃の食事で、塩分を上手にコントロールできているのか?」というポイントだが、本書内では、それを“自分の舌”で確認する簡単な方法が紹介されている。詳細は、ぜひ本書を手に取って確認してほしい。

■自分に合った、正しい食べ方を取り入れ、効率よく体づくりをしよう

 本書では食べ方についてのアドバイスが、以下のテーマ、章立てで紹介されている。

1章 毒になる食べ方、薬になる食べ方
2章 毒になる食べ合わせ、薬になる食べ合わせ
3章 太る食べ方、太らない食べ方
4章 病気になる食べ方、病気にならない食べ方
5章 老ける食べ方、老けない食べ方

 それぞれの説明は丁寧でわかりやすいが、各項目はどれも読みきりやすいページ数で解説されているので、自分が気になるトピックを抜き出して読み始めてみてもいいだろう。

 また、本書では話題の「糖質制限」について、自分の健康状態を把握しないままで極端な制限をすることの危険性についても触れられている。糖質制限は、もともと糖尿病患者の血糖値の急上昇を防ぐために考案された食事療法である。これを、血糖値が正常な人や、尿酸値が高い人が、単なるダイエット法として自己流で取り入れてしまうと、栄養バランスが崩れて、かえって体に悪影響を及ぼす恐れがあるのだ。

 食べ物は、食べ方次第で毒にも薬にもなる。正しい情報と知識を得て、そして、自分の健康状態をきちんと把握した上で、自分に合ったものを取り入れていこう。新年のスタートダッシュは、まだ間に合うはずだ。

文=水野さちえ