スマホが傍にあるだけで脳のパフォーマンスは1割以上低下! 受験前にスマホを味方に付けるには?

暮らし

2019/1/20

『脳科学と医学からの裏づけ! スマホ勉強革命』(吉田たかよし/青春出版社)

 自室やカフェで参考書を開き、ノートにペンを走らせる…。そんな当たり前の“勉強”の風景に、近ごろ変化が起きている。その理由は、スマホの普及だ。筆者も高校2年生(受験前の大事な時期!)からスマホを持ち始めた。勉強中は常に机の上に置き、自習室にもきちんと外部電源を持ち込むほどの“中毒”っぷりで、少なからず受験勉強に悪影響を与えていたように思う。

 本書『脳科学と医学からの裏づけ! スマホ勉強革命』(吉田たかよし/青春出版社)によれば、やはり机の上にスマホを置いていると、勉強の質は下がってしまうという。それは、“スマホをチェックする時間”がロスになるというだけではない。脳が無意識のうちに“スマホを使う準備”をしてしまうため、脳のパフォーマンスが10%以上低下してしまうのだとか。

 だが、リマインド通知やアラーム、検索などの機能を持つスマホは、使い方次第では勉強を助ける“武器”にもなる。本書の著者である吉田たかよし氏は、脳科学と学習医学を活用して受験生を合格させる心療内科「本郷赤門前クリニック」の院長。毎日“スマホ中毒”の学生たちを診察している吉田氏は、彼らに「スマホをやめるのではなく、脳に最適な形で正しく使うこと」を提案している。その内容を見てみよう。

■スマホの通知機能を利用したメンタル管理

 毎朝起床する時間になると、著者のスマホには、あるメッセージが届く。「カーテンを開けて、ヤル気全開!」。知識として“日の光を浴びると目が覚める”ことを知っている人は少なくないだろう。だが、それを本当に毎日実行するとなると、相応の自制心が求められる。著者のように通知機能を利用すれば、いやでも毎朝それを思い出すことができ、実行できる回数が飛躍的に増える。このように、毎日やるべきことや励ましの言葉を登録しておけば、自己管理能力が高まる。

■自分の“集中力”をスマホで採点する

 スマホのアラーム機能も学習時に役に立つ。私たちは、時間を意識せずに勉強をすると、ダラダラ漫然と長時間やってしまいがちだ。だが、それでは効率が悪いし、実際の試験には制限時間がある。だから、日ごろ勉強するときも、スマホのアラーム機能で制限時間を設けて勉強し、集中力を高めるトレーニングをしよう。

 さらに、著者が推奨しているのは、集中力を採点することだ。スマホのカレンダー機能を使い、1時間・1日・1週間といった単位で自分の集中力を自己採点して記録する。あとからそれを見直せば、「夜は集中できているな」「金曜日はバテているのかも」などの傾向を見ながら反省ができるので、改善につながるはずだ。

 スマホが搭載している多種多様な機能は、私たちを堕落させることもあれば、私たちの能力を拡張してくれることもある。重要なのは、スマホに“使われない”ことだ。本書が与えてくれる多彩なヒントをもとにその機能を能動的に利用することができれば、スマホはあなたの心強い味方になるだろう。

文=中川 凌