我が子を「1億稼ぐ子」にするために親ができること

出産・子育て

2019/2/20

『1億稼ぐ子どもの育て方』(午堂登紀雄/主婦の友社)

 お子さんには、どんな大人に育ってほしいですか? いい学校を出て、いい会社に就職? それもいいですが、会社員になれば安泰という時代ではなくなった今、時代に合わせて変わっていける力が必要かもしれません。

 そこで、変化のスピードが速い時代を生き抜くには「起業力」が必要、と語るのが『1億稼ぐ子どもの育て方』(主婦の友社)です。著者は、二人の息子を持つパパであり、起業家である午堂登紀雄さん。

 そもそも起業家とは、世間に求められるテーマを見つけ、お金を作り出す人たちのこと。ただお金を稼ぐだけでなく、自力で人生を切り開くことができます。人生のシナリオをいくつも持ち、何度も立ち上がることができる。本書では、中学生くらいまでのお子さんを対象に、起業力をはぐくむ子育て法を紹介しています。

■夕食の食卓で子どもがリーダーに! 早くから起業の疑似体験を

 本書によると、子どものうちから「イニシアチブをとらせる」ことが起業力を育てるとか。たとえば、家族旅行で子どもをツアーコンダクターに指名。子どもに日程と予算だけを伝え、チケットの手配から当日のガイド役までを任せます。家族みんなが楽しめる旅を達成できれば、小さな起業の疑似体験といえるのではないでしょうか。

 まだ小さいお子さんなら、夕食の準備のリーダーを任せても。筆者の2歳の息子は食べることが好きなので、この方法がいいと思いました。まずは「お肉? お魚?」と選ばせるところから始め、ゆくゆくはホットプレートパーティーなどを計画させるつもりです。

 これらは、学校ではなく家庭で行うことが前提です。学校では基本的に先生がリーダーだからです。集団の中ではちょっと内気なお子さんも、おうちなら少しずつ訓練できそうですね。

 大人はサポート側に回るのが鉄則で、「最初から最後まで」一人で完結させることが大事。それによって、起業に必要な企画力、自分で決める力、リーダーシップ性などが育つといいます。

■安易にほめるのはNG。起業力を伸ばすためのほめ方とは?

 このような学習の中で必ずぶつかるのが、成功や失敗の場面です。起業力を伸ばすには、「ほめ方」や「落ち込んだ時に回復させる方法」にもコツがあるといいます。

 何かをやり遂げた時、子どもが「見て!」「聞いて!」と言うのは、共感してほしいからだとか。「よくがんばったね」と上からの目線でほめるのではなく、「かっこいいね」などと子どもの価値観に同調し、一緒に喜びましょう。

 ほめることは、承認欲求を満たすためにも大事なこと。ただ、安易にほめると、親からほめられることばかりするようになります。これでは、「自分がやりたい」という意思をつぶしてしまうことに。

 失敗して落ち込んでいる時も同じで、上からの目線で「がんばればできるよ」と慰めるのはNG。「そういえばお母さん(お父さん)も昔同じようなことがあったなあ」などと同調してあげましょう。

 失敗が何度も続くと焦ってしまうかもしれませんが、「待つことも大事」だとか。子どもは意外と、次の対策を自分で考えているもの。その意思を尊重して待つことが、回復力をはぐくむことにつながります。

 つまり、これらは友だち同士のような関係ではないでしょうか。友だちに対して「よくがんばったね」とは、あまり言いませんよね。2歳の息子も、「かっこいい!」と同調するほうが素直に聞き入れてくれた気がします。子どもと接する時は、同じ目線になれるように心がけたいと感じました。

■起業力をつけたいなら、子どもの自由を奪わない

「そもそも起業家精神とは、人間の本性に根ざしたもの」という言葉も印象に残りました。つまり、子どもたちにはもとから起業家精神が備わっていて、その力を伸ばしてあげればいいだけのこと。子どもの自由を奪わず、長所を伸ばす。そのために親がしてあげられることが、環境を整えることや、意思を尊重することなのです。

 親が楽しく働いている姿を見せることも大事だといいます。「生涯現役」「子どもにかっこいいところを見せたい」という著者のようになれるかどうかは分かりませんが、自分は子どもの目にどう映っている? と考えるきっかけにもなりました。

 将来、時代にあわせて自分を変えていける人間に。むしろ、自分から発信して時代を変えられるような起業家に! 自分の力で人生を切り開いた子どもは「1億」稼ぐこともできます。本書の子育て法を実践すれば、「何をやってもうまくいく自信がある」という著者に続くことができるかもしれません。

文=吉田有希