高級和紙がセット! 折り紙でかわいらしいお雛様を手作りしよう。「折りびな」の作り方

暮らし

2019/3/1

『新版 折りびな』(田中サタ:著、真田ふさえ:画/福音館書店)

 日本人ならば、ひな祭りを知らないという人は少ないことでしょう。3月3日に行われるこのお祭りは、平安時代頃に行われていた穢れを人形に移して流すという「流し雛」と、子供の「ひな遊び」が、長い年月の間に融合して生まれたものだといわれています。

 当初は男女一対の人形だけだったものが、江戸時代中頃から、調度品が付け加えられるなど豪華さが増していき、いつしか三人官女や五人囃子なども加わっていったのです。

 江戸時代後期には、現在のお雛様にかなり近いものが飾られていたようですが、豪華な人形を手に入れられない人々は、土や、木や紙などといった手に入りやすい材料で自作していたのだそうです。同じように統として伝わってきた折り紙とお雛様が結びついたのは当然といえるでしょう。現在では「ORIGAMI」として世界に通用するほど有名な日本文化である折り紙は、もともと武家の作法として使われていた、大切なものを包むための折紙礼法が起源だといわれています。その原型は鎌倉時代ごろに誕生したということですので、相当長い歴史があることになります。

 そんな礼法が、平和な江戸時代になって遊びとして使われるようになったものが、現在に伝わっている折り紙であり、お雛様が豪華になってきた時代とほぼ時を同じくして、折り紙も複雑なものが作られるようになっていきました。

 本稿で紹介する『新版 折りびな』(田中サタ:著、真田ふさえ:画/福音館書店)では、そのような時代背景を持つ折り紙によるお雛様の作り方を知ることができます。

 本書のオリジナルは、今から50年前の1969年に発売された本なのですが、美しい模様の和紙を何枚も重ねてから作るという、その精緻な折り紙の技法は、半世紀がたった今でも、まったく色あせておらず、「これが本当に折り紙でできるの?」と思ってしまうほどのクオリティを持っています。

 それだけに、その作り方は普通の折り紙に比べるとちょっと複雑であり、ハサミで切れ目を入れたり、場合によっては、ピンセットで細い部分をつまんだりする必要もあります。そのために、折り紙をほとんどしたことがないという方にはハードルが高く感じられるかもしれませんが、折り方の説明は非常に丁寧に、すべて図解でわかりやすく解説されています。

 さらに本書について特筆すべきは、材料となる折り紙がすべて“セット”で付属している点です。こちらは手漉きの和紙で、とても質の高いものです。高品質の和紙を使って粘り強く丁寧に折っていけば、美しいお雛様を作り上げることができるようになっているのです。

 著者はお雛様を、“代々母から娘へと受け継がれる宝物であり、万人の心を和らげる平和の人形”と記しています。モノが簡単に手に入る時代だからこそ、時間をかけて、何百年という歴史を持つ、日本文化が凝縮されたといっても過言ではない、「折りびな」を作ってみませんか? いつもとはひと味違ったひな祭りを体験できるはずです。

文=龍音堂