浮気夫への復讐──なぜ妻は「15年後の離婚」を選択したのか?

恋愛・結婚

2019/3/12

 夫の浮気に気づいてしまった妻。そのとき妻は何を考えるのか。いや、考えるべきなのか。経験者たちに聞いてみた。

■今、離婚するのか将来するのか

 夫の浮気疑惑を感じたとき、妻はまず何を考えるのだろうか。

「頭に来たけど、そのまま怒りをぶつける気にはなれなかった。子どももいますから、今、離婚するわけにはいかないなとまず思った」

 チサさん(41歳)はそう話す。疑惑を覚えたのは1年前だ。その後、夫が寝ている隙に鞄をはじめ、財布や携帯をすべてチェックした。

「携帯パスワードは子どもの誕生日だから、すぐロックがはずれました。写真やSNSでのメッセージのやりとりなど時間をかけてチェックして、アヤシいものは私の携帯に転送したり写メしたり。とにかく証拠をかき集めたんです」

 定期的に繰り返し、相手の女性を特定することができた。

「彼女のSNSをチェックすると、けっこう甘い女で(笑)。夫の帰宅が遅くなった次の日に、だいたい彼女のSNSに『昨日の夕食。ごちそう。ハートマーク』みたいな投稿があるんですよ。お皿の向こうに夫のスーツの袖口なんかがぼんやり写っている。私が見ればわかりますよね。彼女はわからないと思っているのかもしれないけど」

 いい気なものですよね、とチサさんは腹立たしげな表情になった。ただ、相手に怒ってもしかたがないとも思っている。

「たとえ女性のほうから誘われたとしても、それを断らないのは夫の罪だと思うんです」

 それでも、チサさんは夫にその事実をつきつけずにいる。

■どのタイミングで突きつけるか

「知っているんだからね、と何度も言いそうになりましたが、まだ言わずにいます。どのタイミングで知っていることを言えば、夫にとってグサッとくるのかが読めないんですよね。あんまり時間がたってからでも効果がなさそうだし」

 効果というのは、夫の反省度のことだという。いちばん反省できるタイミングはいつなのだろうか。

「夫が舞い上がっているときではなく、少し冷めてきたときかなと思っています。ときどき食事に行っていた時期を経て、実際に関係が始まったのは半年くらい前だと思うので、そろそろ突きつけてもいいかなとは思っているんですけどね」

 11歳と8歳の子をもつチサさん、子どもたちが大学を卒業する15年後の離婚を考えてはいる。ただ、そのころは夫も定年が近いだろうし、どうなっているかはわからない。

「だからこそ、今、つきつけて少しお金を巻き上げておこうかな、と。夫はたぶん社内預金などしているはずなんですよね。そのあたりをこちらに回してもらうようにしておこうと」

 15年後の離婚に向けて、彼女は第一歩を踏み出そうとしている。

文=citrus ノンフィクションライター 亀山早苗