タイトル通り、こんなにたくさん! これでもかの豆の魅力

公開日:2012/4/18

こんなにたくさん豆料理 -気軽につくっておいしく食べる-

ハード : PC/iPhone/iPad/WindowsPhone/Android 発売元 : 農文協
ジャンル:趣味・実用・カルチャー 購入元:eBookJapan
著者名:浅田峰子 価格:540円

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出ました。農文協のレシピシリーズ。
この本の著者の方々は、失礼ながらトレンドを作り出すようなおしゃれなタイプでもありません。各レシピに写真もついていないし、ビジュアル的には実直一辺倒。でも、だからこその好感度というものがあります。レシピにいちいち美しい写真をつけなくとも、迫ってくる大量の豆情報に、やはり、「今晩、豆煮ようっと」ということになるに違いありません。

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このシリーズ本の最大の魅力はテーマになっている素材や、料理のジャンルに著者が心底傾倒していること。マーケティングとはほぼ無関係なところで、コツコツと書き留めて言ったご本人の台所のレシピが公開されている、といった形です。

ひと言で料理本とはいえ、その中には沢山のジャンルがあります。本屋さんの店頭に並び、テレビにも出ているようなシェフのレシピ本、料理初心者用の教本もあれば、ビジュアルとイメージで「食べ物を作りたい」と思わせるスタイルブックのような料理本も。農文協のこのシリーズは、質実剛健、実直、誠実、地味と滋味の詰まった渋い脇役のような存在。

日々の食卓を司るものにとっては、確かに豆は「億劫」な食材です。食べたいと思っても、一晩水に漬けておかねばならない豆も多く、作っても「副菜」的な役割しか果たさない、家族の受けもまるで「そこにいるおばあちゃん」みたいな扱いで、出して歓声が上がる料理、では決してないし。でも、昭和の母たちに育てられた世代には、「時々必ず食べねばならぬ食材」だったのではないでしょうか。

本書は、このシリーズの慣例にもれず、豆料理に多角度から迫ります。煮豆や豆腐は勿論のこと、ようかんにグラタン、こしあんに小豆まくらまで。実に多種多様の豆料理と豆の利用法を紹介。外国の豆料理を紹介しているのも、面白いです。著者の幼少時や、旅行の豆のエピソードがところどころに挟まれ、ぐっと親近感も増す構成。冒頭の豆の分類(「すぐに煮てよい豆」「水につけてから煮る豆」)とその煮方のまとめは、重宝しそう。料理通の方にお勧めの1冊です。


冒頭のカラーページ。豆って写真にとってもやっぱり地味

その地味な豆で1冊読ませるのですから、さまざまな情報が詰まっています

基本の基本をまずは学びましょう

豆腐や呉汁といったレシピまで網羅。豆も奥深い! (C)浅田峰子/農文協