衝撃の“三角物件”から、事故物件まで… あらゆる「間取り」を網羅! アナタの住みたい家はある?

暮らし

2019/3/24

『事故物件vs特殊物件 こんな間取りはイヤだ!?』(間取り調査委員会/ダイアプレス)

 新生活への期待に胸をふくらませる人が増える今日このごろ。新たな街に引っ越した、という人も多いはず。引っ越しの際は、物件検索サイトや不動産屋に足を運び「間取り図」を見て内見先を決めるのが定石だろう。第一印象を決める「間取り図」は家と住人にとってのお見合い写真でもあるのだ。不動産屋に提案されるのは稀だが、ネットで物件検索をしていると、本当に実在するのか疑わしい間取りに出会うことがある。

『事故物件vs特殊物件 こんな間取りはイヤだ!?』(ダイアプレス)は、つい「こんな間取りアリ!?」と、つぶやいてしまうような、多種多様な46の間取りを紹介している一冊だ。そこで、同書に掲載されている間取りをいくつか見てみよう。

 クリエイティブ業界では、賞賛の言葉として用いられる「エッジが効いている」「尖ってるね」などの言葉は、賃貸物件にも当てはまるのだろうか。この「練馬三角ビル」は三角の名の通り“尖った物件”だ。ついトンガリに目を奪われてしまうが、洋室3.5畳もなかなかの狭さ。ちなみに、この三角ビルは物件名、もしくは「東京23区の家賃が安い物件」のワードでネット検索すると、出てくる有名な物件でもある。ここに賃料を書くことはできないが、たしかに格安……! しかも外観のインパクトもなかなかのもの。気になった人は、ぜひ検索してみよう。

 特殊物件のほか「世田谷一家殺害事件」や「東電OL殺人事件」など、実際に事件、事故があった物件の間取りも多く掲載されている。なかには、語り継がれる有名な都市伝説の間取りも。

 東京都目黒区にある「月光」の部屋は、ある女性が自殺を図った部屋だという。容姿が美しすぎるがゆえに、会社でも趣味の「少女マンガサークル」でも孤立した彼女が自殺した部屋には鬼束ちひろの代表曲「月光」が流れていたことから、この名前がついたという。悲しくも儚いエピソードだが、どこにでもありそうなマンションの間取りだけに、身近な恐怖を誘う。

 また、人気アニメやドラマの登場人物が住む家の間取りについても、徹底検証しているのが同書の特徴だ。たとえば、2016年の大ヒットドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)に登場した、星野源演じるサラリーマン・津崎平匡が住むマンションの間取り。著者は、津崎家の広さに着目して以下のように分析している。

「横浜市内にあるとされている津崎家だが、こういう広い1LDKを借りるには、それなりの覚悟がいる。寂しがりやな単身者ほど、誰かと家族になることを夢見て、“しばらくはワンルームや1Kでいい”と思いがちだ。独身でいることを受け入れていないと、この間取りの部屋に高い家賃を払う決心はできない。津崎も一度はその決心をしたということが、この間取りに示されている」

 たしかに、あらためて見てみると独身男性の部屋としてはかなり広い。まさか“独身のプロ”としての覚悟が、自宅の間取りにも表れていたとは。登場人物が住む家の「間取り」から人物像を読み解くのも、楽しみ方のひとつなのかもしれない。

 住む人と家をつなぐ「間取り」には、さまざまなドラマが隠れている。引っ越しをする予定の人もそうでない人も、同書を読んで間取りに思いを馳せてみてはいかがだろうか。

文=フクロウ太郎