獣人との禁断の恋、イケオジとの年の差恋愛…エロピュアで人気沸騰!『獣人さんとお花ちゃん』と『45歳、おじさまは不器用な獣。』が面白い!

マンガ

公開日:2019/4/19

 エロいのにピュア、というのは良質なTLマンガの絶対条件だと思う。心は乙女、身体は大人。少女マンガのようにピュアな恋と、愛されているからこそ得られる官能的な快楽を両方味わいたいのが大人の女心である。という、しごく根本的なことを思い出させてくれたマンガが『獣人さんとお花ちゃん』(柚樹ちひろ)。壁の向こうに隔離された獣人という異種族の男に恋をした、心優しい女の子の物語である。

■壁の向こうに隔離された獣人との禁じられた恋の行方は?

『獣人さんとお花ちゃん』
ⓒ柚樹ちひろ/笠倉出版社

 主人公は、保育士をめざす花。子どものボールを追いかけて、壁の割れ目をくぐり禁じられたエリアにもぐりこんでしまった彼女は、獣人・サナティと出会う。見た目は狼ながら温厚な性格で、人間を憎む獣人たちに見つかっては危険と、帰り道を見失った花をかくまってくれることに。

ⓒ柚樹ちひろ/笠倉出版社

ⓒ柚樹ちひろ/笠倉出版社

 このサナティがまあ、かっこいい。立場が悪くなるリスクをおかしながらも花を守ってくれるし、発情期ゆえ通常以上にあふれる本能をおさえ、常に紳士的にふるまってくれる。その誠実さが伝わるからこそ、花は少しずつサナティに好意をもちはじめ、サナティはサナティで、自分を恐れず寄り添おうとする花に心惹かれていく。

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 2人に共通するのは、他者への差別意識のなさだ。相手に対する恐れや反感は、少なからず抱いている。だが自分勝手な感情で、相手をジャッジしようとしない。不当に貶めたりもしない。自分にできる限りの誠意を見せ、対等に接しようとすることで、2人は種族の壁を越えて惹かれあっていくのである。

ⓒ柚樹ちひろ/笠倉出版社

 芽生えた好意に戸惑いながらも、少しずつ距離をつめていく2人の関係はあまりに自然で愛らしい。早く2人が心を通わせあって、いちゃいちゃするところが見たくなる。2話を終えてもいまだ、触れることさえ躊躇っている2人のピュアさに、ますます一線を越えたときの期待感が高まる。じれったさが格別のスパイスとなり、読むのが止められなくなってしまうのだ。結ばれたとして、2人の先に立ちはだかるあらゆる障壁をどうクリアしていくのかも気になるところ。

■スマホショップの店員と45歳バツイチの客の関係は…?

『45歳、おじさまは不器用な獣。―今夜、大人のセックスを教えて…』
ⓒ竹輪つぼみ/笠倉出版社

 一方、おなじ“獣”でも人間同士なのが『45歳、おじさまは不器用な獣。―今夜、大人のセックスを教えて…』(竹輪つぼみ/笠倉出版社)。主人公の小笠原しほりは、スマホショップの店員。ずっと片想いしていた同僚が異動し、長く付き合っている彼女と結婚してしまう、という状況じたいはよくあることだが、その同僚と実は一夜限りの関係を結んでいて、それからずっと「なかったことにしてほしそうな困った笑顔を向けられている」というのがなんともつらい。

 だからこそ、泣いているところを慰めてくれた相手とそのままホテルに……という流れにも共感するし、頼むから幸せになってくれ! と願ってやまないのだけれど、相手は、スマホを契約しにきたお客の泉谷さん。45歳、めがねのイケオジ。いい匂いのするバツイチ。人間同士とはいえ、何やら色々ありそうだ。

 さまざまな障壁を乗り越え、絆を確かめあってこそ、心も身体も満たされるというもの。読み応えは違うが、エロとピュアをかねそなえた二作でぜひとも、大人のときめきを味わってみてほしい。

文=立花もも

『獣人さんとお花ちゃん』電子版はこちら
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『45歳、おじさまは不器用な獣。―今夜、大人のセックスを教えて…』電子版はこちら
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