ニャー、みんなでいきたいね! 『ノラネコぐんだん展』に、だいすけお兄さんがやってきた!

文芸・カルチャー

2019/4/17

 8匹の黄色いノラネコたちが、パン屋で海で大宇宙でドッカーンして反省する、ゆかいな絵本「ノラネコぐんだん」シリーズ(工藤ノリコ/白泉社)は、累計100万部を超える大人気シリーズ。最新作『ノラネコぐんだんふねにのる』は英語も学べるファーストブック、同時刊行の『ノラネコぐんだんコミック』は4コマ傑作選と、ノラネコワールドの快進撃はとどまるところを知りません。

 作者・工藤ノリコさんの原画展「工藤ノリコ絵本作家20周年記念 ノラネコぐんだん展」が、4月17日より銀座松屋で開催されています。

 入り口でお迎えしてくれるのは、壁一面の看板。おなじみの「反省&正座」する8匹のノラネコたちは、この展覧会でもなにかワルさをしてしまったのでしょうか? さあ、ドキドキしながら会場へ行きましょう。

 会場内は、パンこうじょう、きしゃぽっぽ、おすしやさんなど、物語の舞台ごとに分かれて原画が展示されています。

 もともと“ノラネコぐんだん”は工藤さんの4コマ漫画『ワンワンちゃん』シリーズの脇役として誕生したキャラクター。約20年前からワンワンちゃんとのたたかいを繰り広げてきたノラネコたちは、担当編集・森さん(現・kodomoe発行人兼編集人)の勧めもあって「絵本の主人公」になったといいます。

 文字のない原画を見ていると、まるで自分がどこかの窓から「ニャー、ノラネコ世界 ニャー、楽しそうだね」と、こっそり覗いているような不思議な気持ちになってきます。

「ノラネコたちやキャラクターは、その場面ごとにいちばん自然な表情を描いています」という作者の工藤さん。原画で見るイラストは、絵本で見る以上に、柔らかな線で細やかに描かれていて、ノラネコたちの楽しい会話やパンの香り、汽車の煙、怪物の叫びなどが伝わってきます。

 原画のイラストを追うだけでも物語がわかるような構成には、「小さい読者が楽しく読めるにはどうしたらいいかな、と考えて作品を作っている」という工藤さんの想いを感じます。

 会場の各所には、作中の場面を再現した「回転寿司」「お月見だんご」のほか、「どれがどのドッカーンでしょうか?」というクイズ形式の展示もあります。楽しくてはしゃぎ過ぎてしまった、ちびっこたちは「ノラネコぐんだんの反省パネル」の前で正座して写真を撮ってもらいましょう。

「ノラネコぐんだん」のコーナーのあとには、工藤さんの他の作品の原画のほか、工藤さんの作画デスクをイメージした展示コーナーも設けられています。愛用の鉛筆やペン、執筆時に聴くCD(洋楽メイン)や書棚のラインナップを見ると、ノラネコぐんだんのクールさのひみつがわかるような気がします。

 中でも意外だったのは『ウルトラ怪獣入門』。こちらは資料ではなく、子どもの頃に工藤さんや弟さんたちが読まれていたものだそうです。今でもしばしば読むそうで、「とても真面目に作られた面白い本で、子どもの本を作る作り手の姿勢に共感しますし、私もそういう読み応えのあるものを作っていきたい」と、教えてくださった工藤さんの言葉に、今後の作品もますます楽しみになりました。

 展覧会の開幕に先立って行われた内覧会では、「だいすけお兄さん」こと横山だいすけさんが来場し、工藤先生(の代理のノラネコ)と熱いトークセッションが行われました。

「もし自分がノラネコになって悪さをするなら何がしてみたい?」という質問に、だいすけお兄さんは「すべての絵本に潜り込んで、主人公の顔をぜんぶノラネコにしちゃいたい!」とニヤリ。工藤さんは「パン工場を爆破したいです」と、シリーズ1作目がご自身の願望であったことを暴露していました。

 展覧会のあとは、お楽しみの物販コーナー。展覧会オリジナルのアイテムや先行発売商品など300点以上が、みなさんの物欲を大いに刺激してくれるでしょう。普段使いしやすそうな生活雑貨も多いので、きっとあなたの日々もお部屋もノラネコぐんだんに乗っ取られてしまうことでしょう。

 本展に合わせ、4月21日(日)~5月5日(日)の2週間、東京メトロ銀座線・丸ノ内線で「ノラネコぐんだんの広告ジャック」も実施されます。窓ガラスからのぞき見しているノラネコたちも再現されるそうなので、展覧会とあわせて地下鉄に乗ってみてください。

 黄金色のノラネコたちといっしょに、ゴールデンウィークのひとときを過ごしてはいかがでしょう? ほら、ノラネコぐんだんが呼んでいますよ。

 ニャー、てんらんかい おもしろそう
 ニャー、みんなでいきたいね

取材・文=水陶マコト 撮影=内海裕之