妻が「女性スイッチ」を入れれば夫も変わる! 仕事も家庭もうまくいく“夫のトリセツ55”

暮らし

公開日:2019/5/30

『仕事も家庭もうまくいく夫のトリセツ (イライラからご機嫌に!)』(芦澤多美/マキノ出版)

 2019年1月に惜しまれつつ、活動休止を発表した西野カナが制作したラブソング「トリセツ」は自分自身の取り扱い方を歌に乗せて伝えるという斬新さとかわいさがウケ、結婚式で使われるほど人気に。トリセツブームは出版業界にも影響を及ぼし、書店には数多くの“トリセツ本”が並べられるようにもなった。

 そんなトリセツ本の中でもユニークなのが、夫のトリセツを知ることで夫婦間の問題を解決する『仕事も家庭もうまくいく夫のトリセツ (イライラからご機嫌に!)』(芦澤多美/マキノ出版)。本書には、お金も幸せも得られる夫のトリセツが55個掲載されている。

 夫婦間では、人には言えないさまざまな問題が生じる。そうした時、夫を変えようと躍起になると、なかなか変わってくれない夫の態度に心が苦しくなってしまう。だが、本書によると、妻である自分が言動を変えていけば、夫は自然といい方向へ変わっていけるという。

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 実際、著者の芦澤多美さんもこのトリセツを始める前はしょっちゅう夫婦喧嘩をしており、家庭崩壊寸前だったそう。このままではいけないと思った芦澤さんは夫の心理を踏まえながら、これまでの自分の言動を変えていくことに…。すると、「死にたい」が口癖だった夫が家庭と仕事を笑顔でエンジョイできるようなり、お金に困ることもなくなったそう。結果的に芦澤さん自身も幸せを実感できるようになったのだ。

 夫婦の関係を変えることは、未来を変えること。夫への愛を失いつつある世の既婚女性達よ、家族みんなで幸せになれるよう夫婦関係を再構築してみよう。

■熟年夫婦こそ「夫婦の幸せノート」を作ろう

 私たち女性はお互いの存在がいかに重要かを確認し合うことで幸せを感じ、安堵する。しかし、男性は妻や子どもが幸せになることに意味を見いだすことが多く、自分の存在意義を見失ってしまいやすい。こうした想いの差は、夫婦間に溝を生む。

 そんな悲しい溝を作らないためには、「夫婦の幸せノート」を作り、価値観を共有し合うことで気持ちがすれ違わないようにしていこう。ノートには現在の自分が一番幸せだと思うことや得意なこと、考えたくないと思っていることなどを記すのがポイント。作成するのは、じっくりお互いの意見に耳を傾けられるよう、時間が取れやすい休日の午後などがおすすめだ。

 夫婦は、違う環境の下で育った他人同士。そのため、一緒に暮らしている期間が長くても相手の価値観が分からないことがある。隣にいてくれる優しさに甘えると、パートナーを大切にする心を忘れてしまうことだってあるはずだ。だが、お互いの思考や想いを共有していくことができたら、見える世界が変わり、夫婦喧嘩も減っていく。

 自然に「ありがとう」と言いたくなる空気を生み出してくれる「夫婦の幸せノート」は熟年夫婦に試してほしい、愛の再構築法だ。

■どうしても旦那に優しくできない時はどうする…?

 どれだけ大好きな相手と一緒になっても結婚生活が長くなると、どうしても優しくできない日が訪れる。夫に冷たい態度を取ってしまうと、優しい妻でいられない自分を責め、余計に苦しくなることもあるだろう。

 芦澤さんいわく、そんな時は自分の脳を強制的に女性らしく切り替え、対処していくとよいのだそう。

自分の見た目や持ち物、インテリアを利用し、それらを見たときに、「やさしい自分になれる」と自己暗示をかける。見た瞬間に、「女性らしくなれるスイッチの切り替え」を心の中でするのです。

 私たち女性はかわいいものやおしゃれなものを見ると、女心が躍る。そのワクワク感を活かしながら自己暗示をかけていくことが、優しい妻になるための近道となる。

 なお、激しく精神的に参ってしまった時はアロマのお風呂にゆったりと浸かり、自分の中にある女性らしさや母性を充電するのもおすすめ。優しくなれない日こそ女であることを楽しんで、ドロドロとした自分の心を女性らしく彩っていこう。

■忙しすぎる夫に優先してもらうには「自尊心」を高めてあげよう

 仕事がバリバリできる夫はかっこよく見えるが、向き合う時間が取れないことに不満を抱いてしまうことも…。自分という存在をないがしろにされると、夫婦でいる意味がないようにも感じられる。

 こうした時は「私のことも見てよ」と、夫に言いたくなってしまうが、まずは夫が置かれている状況を把握し、“仕事を断る能力”を引き出せるよう、考え方を変化させていこう。

 男性にとって仕事は、自分の価値を知れるモノ。自尊心が低い人は自分の価値を確かめるために無茶な働き方をしてしまう場合も多い。そんな夫に対して妻ができるのは会社や仕事の愚痴を聞き、想いを受け止めてあげること。その時は、愚痴を解決しようとせず、ひたすら聞き役に徹するのがポイントだ。

 そして、旦那が想いを言ってくれるようになってきたら休日の夜など2人でのんびり過ごしている時に「いつもお仕事ありがとう」や「愛してくれて嬉しい」と言ってみよう。気分転換も兼ね、旅行を提案したい時は「お仕事が忙しいのも嬉しいけど、もっと嬉しいのは一緒にのんびり旅行に行って、おいしいものを食べて、温泉にでも入って時間を過ごすことだよ」と伝えるのもおすすめ。

 妻の優しい言葉は、プライドが高く、ガラスのハートを持つ男性の自尊心を高める。夫が忙しさに逃げてしまわないよう心を包み込んであげることは、妻にしかできない大切な愛情表現なのだ。

 近ごろは、3組に1組の夫婦が離婚しており、夫婦関係が上手くいかなくなった時に「別れ」という選択肢が選びやすくなってきている。だが、夫は縁あって結ばれたパートナーだからこそ、離婚に踏み切る前に「本当に夫婦仲を修復できないか」と考えてみてほしい。

 夫婦関係を再構築できる全55の夫のトリセツは、人生を軌道修正したい時にも役立つ。妻のほんの些細な気配りと優しさで、家庭は豊かに、夫は幸せになるのだ。

文=古川諭香