親子の対話より“夫婦の会話”が影響大? 夫婦間のものの言い方で賢い子どもを育てよう

暮らし

2019/6/14

『賢い子を育てる夫婦の会話』(天野ひかり:著、汐見稔幸:監修/あさ出版)

 子どもに聞かれたくない夫婦の会話ほど、ハッと振り向けば子どもが陰で聞いていたりするもの。そんなとき、「あぁ、失敗したな~」と思ってしまうけれど、同じようなシチュエーションは、繰り返しやってくる…。

 子どもにとっての夫婦の会話の重要性を知れば、子どもに聞かれたくない会話の取り扱いは慎重になり、そして、子どもに聞かせたい会話を意識的にできるようになるかもしれない。

『賢い子を育てる夫婦の会話』(天野ひか:著、汐見稔幸:監修/あさ出版)によれば、子どもは「親子の対話」よりも多くのことを「夫婦の会話」から学んで育つというから、背筋が伸びる思いになる。なぜ、「親子の対話」より「夫婦の会話」が子どもの心に響くのか。簡単である。大人も子どもも、直接的な言葉より間接的な言葉のほうが、真実味を帯びて感じるからだ。だからこそ、陰口、悪口が本人の耳に入るとダメージが大きい。子ども自身のマイナスなことを、陰で夫婦が話していると子どもが知れば…その影響は想像以上に大きい。逆に、プラスな話の影響もやはり大きい。

 本書によれば、日本の夫婦の会話時間は、世界でも群を抜いて少ないそうだ。ある番組の調査によれば、順位は世界50か国中の48位。時間にして、一日平均53分。この貴重なわずかな時間を、子どもにとってメリットにするか、デメリットにするかは夫婦次第なのだ。

 言葉の大切さについての類書は多くある。しかし、本書は、それらの論が具体的な日常会話に翻訳されているところが親切でわかりやすい。

 たとえば、夫婦ゲンカ。一般的に、夫婦ゲンカは子どもの脳にダメージを与えるため、しないほうがよいといわれている。しかし本書は、その後の夫婦の会話次第では“あり”だとしている。子どもに、本当はお互いにわかり合いたいから夫婦ゲンカをしていることが伝わるし、最後は歩み寄るという“正しいケンカの仕方”を伝えることができるからだ。

×の会話例

「私は◯◯したいの!」
「ぜんぜんわかり合えないね」

◯の会話例

「じゃあ、◯◯するのはどうかな」
「なるほど、それならできそうだね」
「感情的になってごめんね」
「わかり合えてよかった。言ってくれてありがとう」

 本書にはこの他の普段における夫婦の会話例、夫婦での子どもへの話し方例などが、シーンごとに紹介されている。

 子どもを伸ばすためだけでなく、夫婦のコミュニケーションをラクにするコツも掲載されている。気になる方はぜひ。

文=ルートつつみ