『ごぶごぶ ごぼごぼ』とともに読むべき赤ちゃん絵本『ぎゅ ぎゅ ぎゅ――』

出産・子育て

2019/6/8

『ぎゅ ぎゅ ぎゅ――』(駒形克己/KADOKAWA)

『ぎゅ ぎゅ ぎゅ――』(KADOKAWA)は、世界的に活躍するグラフィックデザイナー&造形作家、駒形克己さんの新作絵本。駒形さんは人気作『ごぶごぶ ごぼごぼ』の作者で、約19年ぶりの絵本となる本作では、自身のお孫さんが実際に反応した色やイラストや言葉が反映されているとか。

■シンプルだけど赤ちゃんの喜ぶものがぎっしり

 本を開くと、「丸い形」や「黒い丸」が描かれています。このような形はママの瞳やおっぱいを連想させるので、赤ちゃんは大好きなのだそう。まっしろな背景に、くっきりとした色で描かれているから、まだ視力の弱い0〜1歳の赤ちゃんでも、はっきりと見て取れそうです。

 描かれた色や形は、とてもシンプル。それでいて、黄色でもすこし深みのある黄色だったり、ちょっと大きさが違ったりと、細かな工夫が感じられます。きっと、赤ちゃんの喜ぶものが厳選されているのでしょう。赤ちゃんが夢中になるはずです。

 登場する絵はどれも、大人の目から見ても美しく、プレゼントとしても喜ばれそう。厚みがあるボードブックだから赤ちゃんが舐めたり叩いたりしても安心だし、角丸だから安全に触らせてあげられます。

■擬態語があわさるとアニメーションのように動き出す!?

 絵には「ぷちっ」「ぽんっ」など、赤ちゃんの大好きな擬音語が書かれています。おしゃべりを始めた子なら、その言葉を繰り返して、親子で楽しく遊べそう。

 言葉を声に出しながらページをめくっていたら、あることに気がつきました。不規則に並んでいると思っていた形には、どうやら意味があるようです。

 赤い丸が、次のページで「ぽんっ」という音とともに違う色に。赤い丸が弾けて、別の色に変わったのでしょう。かと思えば、「ぴた ぴた ぴたっ」という言葉とともに、丸と丸がくっついて、イモムシのような形に……。絵がどんどん“変身”していくような感じです。続けて読むと、赤ちゃん向けのアニメーションみたい。

 絵のところどころには丸い穴があいていて、赤ちゃんがさわれるようになっています。さわっていた丸が、次のページで違う形になっているのを見て、赤ちゃんは大いに刺激されそう。「くるりん ぎゅー」っと、効果音のような読み聞かせで、赤ちゃんの想像力をどんどん膨らませてあげたいですね。また、本書は、乳幼児発達の研究を専門としている東京大学の遠藤俊彦教授も推薦するほど。

 最初は2つの赤い丸だったものが、最後のページで、パッと花が咲いたような丸の集合体に。これが、拍手したくなるくらい見事。グズグズと泣いていた赤ちゃんも、ページをめくるうちにどんどん引き込まれ、最後はパッと笑顔になってくれるかもしれません。

 シンプルで飽きさせず、赤ちゃんが夢中になれるものだけが詰め込まれている絵本。ご機嫌になってほしいときや、コミュニケーションの方法がわからない時などに、活用できそうな一冊です。

文=吉田有希