40代からの女の人生どうなっちゃうの? 生き方に不安を抱えるあなたへ「幸せなオタク」のすすめ

暮らし

2019/7/3

『オタク中年女子のすすめ #40女よ大志を抱け』(河崎環/プレジデント社)

「私もしかして、ほんとうにこのまま“オバサン”になるのでは?」と30代の女性なら感じたことがあるだろう。若い頃は「自分とオバサンは違う生き物であり、自分はいつまでも老けない」となぜか思っていたが、当たり前だが自分もそのうちオバサンになる。30代で次々と現れる加齢現象によって、その「当たり前」を知ることになる。

 30代なら社会からはまだ「若手」と呼ばれたりするが、40歳を迎えると「オバサン」としての生き方を意識する機会が多くなる。これまでの人生と、これからの人生。それを考えたときに「自分という人間は一体何なんだろうか?」「何者かになれているのだろうか?」「これから強く生きていけるのだろうか?」と不安になる。

『オタク中年女子のすすめ~#40女よ大志を抱け』(河崎環/プレジデント社)は、人気Webコラムニストの著者が、人生100年時代の「女の生き様」を考える1冊である。誰もが直面する自分の「オバサン」性との付き合い方が示してある。

 著者は、周囲のあらゆる「オバサン」をリサーチしたうえでこう感じたという。

ああ、成熟とはとてもカッコいいものだ。年齢を重ねて「自分が何者か」を分かっている女たちは、他人が何を言おうと揺るがない。でもその境地に到達するために、誰しも一度は揺らいだりジタバタしたりを経験するものなんだなあ

「自分が何者か」というアイデンティティは、「趣味」が形作るのではないかと著者は考察する。趣味を暮らしの中に据えて生きる「オタク女子」を心の隅に飼ったオバサン、そんな豊かで安らいだ姿に憧れてしまうのだ。

 たしかに、結婚生活や仕事にアイデンティティが存在するかといえば、それでは何か頼りないという人もいるだろう。自分が一体何を指針として生きているのか、このままなんとなく人生を終えてしまうのか、といったことを考えるとゾッとしてしまうかもしれない。けれども、ひとつ解決策がある。「自分が何者でもない」と焦ったり、今後の人生が不安になってしまったりした人は、自分の中に「オタク女子」を飼ってみてはいかがだろうか。つまり、熱くなれる趣味を持つことだ。

 何かを見失ったとき、「趣味を楽しんでいる自分」というアイデンティティがあると心が休まるだろう。家庭や職場では、どうしても楽しむばかりではいられなく、浮き沈みがあり、のめり込む気力もないということもある。けれど純粋に「これが好き」といえるものが心にあることは、なんと頼もしく、力強いことだろうか。

 もうすでに何かのオタクだという人は、それを大事にしていけばよい。趣味がないという人は、昔好きだったものを思い出したり、今の自分に合う世界を覗いてみたりするといいだろう。ちなみに著者は、趣味を探そうとしてなかなかハマれるものがなく悩んでいたが、その後幸運にも「暗闇バイク」に出会ったという(「暗闇バイク」は、クラブのような真っ暗なスタジオで行うバイクエクササイズ)。

 社会人として、これまできっちりといろいろなものを積み重ねて生きてきた女性たち。けれど、そこから出るちょっとした「ほころび」を楽しむことのできる余裕が「人生100年時代」には欲しい。これからの人生どう生き抜いていくかを考えたときに、あなたを支えていく要素はステータス以外のところ──つまり心の中のオタク性にあるのかもしれない。

 最後に本書のメッセージをお伝えして終わろう。

「“妙齢”ガールズ、ビー、アンビシャス。ほころびから冒険を始めよう。」

文=ジョセート

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