定番料理が大変身! 「理屈」で美味しい料理が完成するレシピ本【作ってみた】

暮らし

2019/7/25

『誰でも1回で味が決まるロジカル調理』(前田量子:監修/主婦の友社)

「料理が苦手で…」「なかなか味が決まらなくて…」と、料理に苦手意識を抱く人は、「自分には料理の才能がない」と思いがち。しかし料理は食材の組み合わせと調理でできるものであり、本当に必要なのは、センスや才能ではなく知識と経験値である。それをロジカルに解説し、料理の謎を解いてくれるのが、『誰でも1回で味が決まるロジカル調理』(前田量子:監修/主婦の友社)。

 本書は料理に必要な基本的調理器具や調味料、実際の調理の手順、さらにはなぜその手順が必要なのか、その手順を行うことで食材がどうなっていくのかまで丁寧に教えてくれるレシピ本。各手順を行う理由や美味しい調味料の割合を知ることができれば、自分のやっていることがどう繋がって美味しくなっていくのかが分かり、上達もしやすい。では実際、どういった手順が重要となってくるのか。本書のレシピを見つつ、知っておきたい基本の料理を作ってみた。

■「豚のしょうが焼き」(p.10~p.13)

 豚のしょうが焼きを美味しく作るポイントは、「たれなどの下味につけ込まない」「焼けた肉をとり出さない」「醤油:みりん:酒=1:1:1と覚える」の3つ。よくたれにつけ込んで順番に焼き、焼けた分からとり出していく様子を見かけるが、実はこの作り方では肉がかたくなってしまいやすいのだとか。

 本書の3つのポイントを守って作ってみると、肉がやわらかくジューシーに、味もしっかりと絡んで大成功! 肉をつけ込まなくても、味は十分つくことが分かる。難しい手順が加わるわけでもなく、しかもつけ込む時間も不要とあれば、もうこの作り方1択なのではなかろうか。

■「さばのみそ煮」(p.34~p.37)

 せっかくなので、もう1品。今度は「さばのみそ煮」。これは、「煮る前に熱湯に通してから水で洗い、生臭みをとる」「煮魚を煮るときはふたをしない。みそは仕上げに加える」「調味料の割合は水+酒:みそ:砂糖=8:1.5:1.5」の3つがポイント。ほかはいたって普通の作り方だが、これらをするとしないでは生臭みがまったく違う。

 煮物をする時、加熱を加速させようとふたをしがちだが、ふたをすると水分とともに蒸発するはずの生臭みがこもってしまうのだとか。また、魚は加熱しすぎるとかたくなるため、加熱時間を9分以内にするといいとのこと。

 このように、「豚のしょうが焼き」も「さばのみそ煮」も本書に掲載されているほかの料理もすべて、知らないと飛ばしてしまいがちな“隠れた手順”の有無で仕上がりが大きく変わってくる。これが料理の分かれ道になるのだ。また、巻末には食材の切り方や献立の考え方、特に覚えておきたい料理の基本・コツなどがまとめられているので、最後のおさらいとしてぜひともこちらも活用してほしい。

 この『誰でも1回で味が決まるロジカル調理』でやるべきことを学んだら、あとは練習あるのみ。難しいことは何もしていないので、ただ覚えるまで本書を見ながら繰り返せばいい。練習したことが自身のワザとして馴染む頃には、いつもの料理が見違えていること間違いなしだ。

調理、文=きこなび(月乃雫)