東京・池袋の危ない住人たちが織りなすスタイリッシュでキレた群像劇

公開日:2012/5/16

デュラララ!!1巻

ハード : PC/iPhone/Android 発売元 : スクウェア・エニックス
ジャンル:コミック 購入元:BookLive!
著者名:成田良悟 価格:627円

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慣れないうちは「『ラ』がいくつだったっけ?」とラの数を数えてしまう、電撃文庫の人気ライトノベル『デュラララ!!』が電子コミック化。

原作は10巻まで発売されており、発行部数は400万部を超える人気タイトルです。2010年にはテレビアニメが放送。コミックの方は『月刊Gファンタジー』(スクウェア・エニックス)で2009年7月号から連載が続いています。

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インパクト十分のタイトルなのもあって、「名前は知っている」というラノベ・小説ファンも多いかと思います。本作の主人公である“首なしライダー”デュラハン(アイルランドに伝わる首なし妖精)の名前と、語呂のよさから考えられたものです。

首なし妖精こそ登場しますが、本作はファンタジーメインではなく、現代の東京・池袋を舞台にした、さまざまな登場人物が織り成す群像劇。

一見フツウなようでどこかキレている奴から、明らかにオカシイ奴までが入り乱れ、一人一人の小さな物語から、次第に大きな物語である全体像が見えてきます。1巻は、ほぼ主要人物の顔見せ。原作の小説も読んだファンなら、「こんなビジュアルだったのか」など、自分のイメージと照らし合わせて楽しめます。

ちなみに、1巻では、一部で自殺サークルの場面が描かれます。フツウに見えてキレている“情報屋”が自殺志願者を罠にはめるのですが、人に対して持つ偏愛と人生哲学から、かなりトンだ言動を見せます。事件が起こる部屋の様子や人物の表情など、原作とはまた少し違った異様さに、どんどん引きこまれていきます。

2巻以降は、大人しく見える主人公がどんどん変質していくので、期待しつつ、1巻で人物関係をしっかりと押さえておきましょう。


チャットルームの描写。本作ではチャットが重要なツールとなる

どこかドン臭そうな彼が主人公の高校生・帝人(みかど)

「一般人の中にも 絶対に手を出しちゃいけない奴が 何人かいるから」…そんな危ない池袋が舞台

死神のような鎌を持ったヘルメット女(女なのです)の正体は…

「首なしライダー」と呼ばれる妖精・デュラハン