35歳・男性・フリーランスのイラストレーター。あらゆる婚活に挑戦した赤裸々な1年の記録『婚活男。』

マンガ・アニメ

2019/10/6

『婚活男。』(おーじろう/総合法令出版)

 世の中には、女性向けの婚活本は数あれど、男性向け…しかも「実体験」を描いた作品はまだまだ少ないと感じたことはないだろうか? 誰かの生の体験談やアドバイスほど、時として心強いものはない。人生を左右する結婚だと尚更だ。魅力的な男性目線の婚活本がもっと増えればなあ…と思っていたのだが、今年の8月に、これぞ! とおススメしたい婚活本が発売された。

 フリーランスのイラストレーター・おーじろうさんによる実録コミックエッセイ『婚活男。』(総合法令出版)である。本書は、アメブロランキング婚活レポ第1位にも輝いたブログ「フリーランス男子、婚活を頑張る」を書籍化したもの。35歳・フリーランス・彼女なしだった著者が、あらゆる婚活に挑戦し続けた1年の記録がリアルに綴られている。

 そもそも著者が婚活を決意したきっかけは、3年付き合っていて結婚を考えていた彼女に突然振られたこと。気づけば35歳という自分の年齢に焦りを感じると同時に、「結婚したい!」という気持ちも強かったため、婚活パーティーや婚活カフェ、オタク婚活パーティー、お料理合コンなど、さまざまな婚活の場に勇気を出して出向いてゆくのだ。

 本書は、さまざまな婚活の場の長所や短所が詳しく記載されているのも実用的だが、なんといっても一番の魅力は、著者の誠実で前向きな人柄ではないかと思う。

 初めて参加した婚活パーティーでは、男性と女性の参加料金に差がありすぎることや、プロフィールカードで、男性は「年収」を書く欄が、女性は「得意料理」で内心怒りを覚えたこと(※パーティーによってプロフィールに書く項目は異なるそう)、フリーランスで仕事をしていると告げたら、女性側に「フリーター」「ひとりぼっち」と見なされ落ち込んだことなどが赤裸々に記されている。心も体もヘトヘトになったのに、誰ともカップリングしない日々に深く落ち込みつつも、自己分析や試行錯誤を繰り返し、「いつか絶対、結婚したいと思える人に出会えるはず!」と強く信じて、マッチング率を上げていく様子にはとても勇気づけられた。

 また、せっかくカップリングしても、突然メールで振られることもあれば、デートで上手く行かないこともあるのだが、後悔や反省をしながら、どんどん魅力的で優しい男性へと変わっていく様子はとても格好良く思えた。そんな著者は、いろんな婚活の場に参加しては失敗してを繰り返した後、出会える人数は少ないものの、その分ゆったりと会話できるという「婚活カフェ」で、運命の出会いを果たすのだが――!?

 エッセイのラストは伏せておくが、本書は、男性の婚活に役立つのはもちろん、女性が読んでも、婚活を頑張る男性のリアルな心理や願望が伝わってきて、勉強になると感じた。自らの手で幸せを掴みとろうと、一生懸命に努力して、時には休憩を挟みながらも、決してへこたれないひとりの男性の姿は、とても眩しく見える。婚活中の方はもちろん、恋愛や他者との関係で悩む多くの人に読んでほしい素敵な1冊だ。

文=さゆ