甘いものがやめられない、スナック菓子に手がのびる…ダイエット失敗の原因は意志が弱いからではなく「脳」!?

健康・美容

更新日:2019/10/24

『THE デブ脳』(工藤孝文/エイ出版社)

 痩せたいと感じる人のほとんどは、痩せる方法を知っているもの。なのに痩せられないのは、ダイエットがつらいからでは? 痩せられないのは自分の意志が弱いからだと、自己嫌悪に陥っている人も少なくないだろう。

 そんな人におすすめしたいのが、テレビ番組などで知られるダイエット外来医師・工藤孝文さんによる著書『THE デブ脳』(エイ出版社)である。“脳”の観点からの、いわゆる痩せ体質になるための意外な方法が盛りだくさん。「つらいことはナシ」「当たり前のことはしない」をモットーに、誰にでも簡単に続けられるメソッドだけが紹介されている。

■あなたの“デブ脳”はどれ?

 本書によれば、太ってしまう原因は“デブ行動”にある。そして、その行動のもとになっているのが、“デブ脳”だ。本書のメソッドは、自分のデブ脳を知るところから始まる。チェックリストの一部を見てみると…

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<あなたの「デブ脳」はどれ?>
□甘いものがやめられない
□炭水化物ばかり食べてしまう
□疲れてポテトチップスを食べる 

など、思わずドキッとするものばかり。本書は、自分が当てはまる“デブ脳”のページから、気軽に読み進めることができる。

■甘いもの好きは、 “ガム”の習慣を

 本書によると、つい甘いものを食べてしまうのは、意志が弱いからではなく、単に脳内の“セロトニン”が不足しているからだ。

 幸せホルモンとも呼ばれるセロトニンは、ストレスをやわらげ、幸福感を与える効果がある。ところが、生活習慣の乱れや、栄養素が足りないことによってセロトニン不足に。「食事の後、お腹はいっぱいだけど何か食べたい」といった状況がそうだ。甘いものを食べるとセロトニンを補ってくれるため、人は甘いものに頼ってしまう。

 そこで、別の手段として挙げられるのが「ガムを食べること」。セロトニンは“リズム運動”によって増やすことができ、ガムも立派なリズム運動のひとつ。食後のガム習慣がおすすめだとか。

■食前の“漫画”が、炭水化物の量を抑える!?

 他にも、「そんなに簡単でいいの?」と拍子抜けするほど、つらくない、むしろ楽しめそうなメソッドが紹介されている。たとえば、「炭水化物ばかり食べてしまう」人には、「食前に漫画を読む」のが効果的だ。

 白米やパンなどの炭水化物に含まれる糖質を摂りすぎると、太りやすいことはよく知られているが、そもそも人が炭水化物を好むのは、糖質の摂取によって中毒性のあるβ-エンドルフィンの分泌が増えるから。ストレスがたまると、人はβ-エンドルフィン、つまり炭水化物を求めてしまう。

 だからこそ、ここでもセロトニンにお願いしよう。幸せホルモンであるセロトニンは、漫画に没頭することでも増やすことができ、それによってストレスから解放されれば、糖質依存が軽減する。小説でもいいのだが、食前に脳を使いすぎるとかえってストレスになるため、軽く読んで楽しめる漫画くらいがちょうどいい。

 ちなみに、この方法が合わない場合は、「食事の時間を1日の12時間以内に収める」という方法でも、炭水化物の量を減らせる。“デブ脳”は環境によって左右されることから、その時の自分にあった解決方法を試すのが成功の秘訣。そのため、本書では1つの“デブ脳”に対して、ありがたいことに、2〜4つのメソッドが紹介されている。

■脳に注目すれば、賢くラクに痩せられる!

 ある特定の食材を取り入れる、食事の前後に簡単な行動をするなど、ごく簡単な方法によって、賢くラクに痩せられるメソッドは、なんとも魅力的。「痩せたいけれど頑張るのはつらい」「食べることはやめたくない」などのワガママにも応えてくれる。

 痩せられないのは意志が弱いからではなく、脳に原因がある。だからこそ、痩せたいのなら自分の“デブ脳”を知るところから始めよう。脳にスポットを当てた意外な方法は、「あたりまえのことは聞き飽きた」というダイエッターにもおすすめだ。

文=吉田有希