「中身がからっぽの大人」にならないよう今できることは? 強くしなやかに生きるヒント

出産・子育て

2020/1/25

『ヤワな大人にならない! 生きかたルールブック』(齋藤孝:監修、林ユミ:絵/日本図書センター)

 幼い頃、大人はなんでも自分でできてしまうすごい人たちだと思っていた。だが自分が同じ立場になってみると、すぐにクヨクヨするし、ひとりではできないこともたくさんある。自分は本当に「大人」になれているんだろうか?
 
『ヤワな大人にならない! 生きかたルールブック』(齋藤孝:監修、林ユミ:絵/日本図書センター)は、「世界一受けたい授業」の講師としても知られる教育学者の齋藤孝さんが、これから大人になる子どもたちのために監修した1冊。「ヤワではない大人=強くしなやかに生きる人」になるための50のアドバイスが、子どもにもわかるよう平易な言葉で綴られており、大人にとっては「これができれば理想の大人かも」と思えるような内容となっている。
 
 人生に物足りなさを感じる、なんだかうまくいかない、と考えている人は、今の状況から抜け出すヒントが本書で見つかるかもしれない。50の言葉の中から、一部ご紹介したい。

■自分の行動に責任をもつ

“うまくいかないことを人のせいにしない。”

 うまくいかないことを人のせいにせず、自分で引き受けて反省することが大事。「それが人生につまずかないためのヒケツ」と本書は語る。

 口に出さずとも、心の奥底で「誰かのせい」にしてしまっていることはないだろうか? 失敗の理由は自分が判断を間違えたからかもしれないが、毎回そう認めるのはつらい。だから、ついなにか他の理由に責任転嫁して逃げ出したくなる。けれど、それでは失敗した本当の理由を突き詰めることができないし、それで同じ過ちを繰り返してしまうかもしれない。

 自分の行動は、最後まで自分で責任をもつのが大人のルール。うまくいかなかったときは、反省して対策を練る。それを繰り返すうちに、人は強くなっていくのだろうと感じる。

■相手の気持ちを想像する思いやり

“悲しみや怒りを、笑顔でこらえている人がいることを忘れない。”

 笑顔だからといって、その人に悲しみや怒りがないとは限らない。気持ちは目に見えないからこそ、相手の気持ちを想像するという思いやりをもつことが大切だ。

 他人の気持ちを100%理解するのは不可能かもしれないが、「10%だけ想像しよう」と試みることはできるのではないだろうか。相手の気持ちを正確に把握しているかどうかは別として、「思いやる」気持ちが相手に伝わって、事がうまく運んだという経験がある人は少なくないだろう。相手の気持ちを想像することそのものが大事なのだと感じる。

 人の道は「お互い様」の世界。いつか助けてもらうかもしれない相手に、自分は優しくできているだろうか。自分がされてうれしいことを、誰かにもしていたい、と思う。

■かっこいい大人でいたい

 本書が子どもたちに向けて発する、「中身がからっぽの大人にならないように」というアドバイスにドキッとする。年齢を重ねただけで心が成長できていない“からっぽな大人”に自分はなっていないだろうか…?

 本書には、考え方をすこし変えるだけで実行できるようなちょっとしたヒントが紹介されている。中でも、「自分の生き方に責任をもつこと」「他人を大事にすること」は、くり返し言葉を変えて強く語られている。この2つこそ、強くしなやかに生きる大人の条件なのかもしれない。本当の意味で、しっかりと自立し、周りに気を配ることができる、かっこいい大人でいたいものだ。

 多様化が進み、個人が尊重される時代だからこそ、自分自身をもっと高めるための学び直しが必要なのではないだろうか。年齢を重ねた大人は、人に教わる機会がどんどん減っていきがちだ。だからこそ、本書を生き方の教科書として一読することをおすすめしたい。

文=吉田有希