『別マ』で男の子同士の恋愛も…!? 勘違いから絡まりまくる男女4人のラブコメが笑えてキュンとさせられて忙しい!

マンガ・アニメ

2020/2/2

『消えた初恋』1巻(アルコ:作画、ひねくれ渡:原作/集英社)

 不器用でも一生懸命な人を見ていると、「がんばって!」と、つい応援したくなるものだが、それは恋愛でもまた然りだ。好きな人を見つめる優しいまなざしやキラキラとした幸せそうなオーラ、相手を一途に想う行動を見ていると、どうかその恋が実りますようにとそっと願ってしまうのだ。

 ひねくれ渡先生原作、『俺物語!!』の作画を担当したアルコ先生が描く『消えた初恋』(集英社)も、一生懸命で善良、ちょっとおバカな高校生男女4人が織りなす恋の物語である。

 本書は、隣の席に座る橋下さんに片想い中の、おバカなピュアボーイ・青木が、テストの際に消しゴムを忘れ、橋下さんに借りるシーンから幕を開ける。青木は、笑顔が可愛くて恥ずかしがり屋の彼女のことを「天使」だと思うほど、彼女に恋をしているのだが、借りた消しゴムに、同じクラスの真面目な男子・井田の名前と、その横にハートマークが書かれているのを見つけてしまう。しかも、とんでもないことに、その消しゴムをうっかり落としてしまい、青木の前の席に座る井田に拾われ、バッチリ見られてしまうのだ…!

 すぐに誤解を解こうとした青木だが、消しゴムが橋下さんのものだと明かすと、橋下さんの恋心まで公になることに気づき、消しゴムは自分のものだと呆然としながら断言してしまう。井田は井田で、「まさか生まれて初めて告白されるのが男とは…」と思い悩んだ末、青木を振る。だが、そんなことよりも、橋下さんの思い人が自分ではなかったことにショックを受ける青木。思わず井田の前で「バカみたいだけど本気で好きだったんだ…」とつぶやいてしまうのだが、

青木…そんなに俺のことを―――…

 …と、井田が勘違いを加速させ、青木の存在が井田の中でどんどん大きくなっていく様子は、思わず笑ってしまうと同時に、まさかの展開に驚きが隠せず、ぐいぐい惹きこまれてしまった。

 失恋から始まった恋物語は、その後も怒涛の展開を見せる。青木は、井田が橋下さんのことを好きになれば万事解決だと2人の恋を応援するのだが、井田は、好きな人(※橋下さん)のことをまっすぐに語る青木に好感を持ち、「友達からはじめないか」と、青木との交際に積極的な姿勢を見せる。

『別冊マーガレット』でサラリとBL的展開が始まったのにも驚いたが、登場人物全員が善人で、好きな人の幸せを願うがゆえに、三角関係がどんどんカオスになっていくのには何度も吹いてしまった。

 しかし、ここで驚くのはまだ早い。この後、物語は、青木の親友のパリピ男子も巻き込み、事態はさらにややこしくなっていく。1巻のラストまで読めば、もう一度最初から読み直したくなる展開に、胸の高鳴りと興奮が止まらなかった。

 キュンとするシーンと笑いの絶妙な加減がたまらない、最高の少女マンガだ。恋の矢印があちこちに飛び交う、とても可愛くてちょっと切ないラブコメをぜひ堪能してほしい。

文=さゆ

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