「避妊」だけが性教育じゃない! 妊娠・出産のために女の子が知っておくべき「卵子」のハナシ

暮らし

2020/3/19

『女の子が知っておきたい卵子のハナシ。』(浅田義正/主婦の友社)

 結婚して、妊娠・出産を意識するようになって初めて、自分の体と向き合い始めたように思う。そもそも知識がなかったのだ。「卵子は年を重ねるごとにどんどん減っていくもの」だなんて知らなかったし、「今は不妊治療が発達しているし、40・50代でも子どもは簡単に産める」とのん気にそう思い込んでいた。「卵子レベルでは、たとえ30代であっても妊娠が難しいケースもある」と知って、焦るように検診を予約したのだ。

 性教育というと、望まない妊娠を避けるための方法や性感染症についてばかりを学んでいるように思う。だが、卵子の仕組みや妊娠・出産のための知識を学ぶことも大切。私のように30代になってから「知らなかった!」と驚くのではなく、もっと若いうちから知っておくべき知識であるはずだ。『女の子が知っておきたい卵子のハナシ。』(主婦の友社)は、生殖医療の第一人者、浅田義正先生が、将来の妊娠に備える10代のうちから知ってほしい卵子の話を教えてくれる1冊。この本を読めば、卵子がどのように精子と出会い、命を育んでいくのか、どのような性質があるものなのかがわかる。将来子どもがほしいと思っている女性はもちろんのこと、そのパートナーとなる男性にも知っておいてほしい知識が詰まった本だ。実際にその中身をちょっと覗いてみよう。

卵子の数は、胎児の時がピークで、その後新たに作られることはない

 精子は第2次性徴を迎える頃から毎日作られ続けるものだが、卵子は、その構造がまったく異なる。卵子は胎児の時がピークで、その数はどんどん減っていくもの。その後、新たに作られることはないのだ。妊娠20週ごろ、500〜700万個とピークを迎え、出生時には約200万個、その後6歳ごろには約50万個となり、12歳ごろには約20万個と急激な勢いで減少していく。若い女性ならば、1日に30〜40個、1回の月経周期に約1000個もの卵子が失われ続け、そして、35歳の時には、卵子は2〜3万個しか残らない。卵子の在庫数は、血液検査でわかるAMH値によって推測できるから、今の自分の状態を確認しておくといいだろう。

卵子のことを考えるなら、妊娠は30代前半までをひとつの目安に

 女性の妊娠する力がもっとも高いのは、22〜23歳。卵子のことを考えると、卵子が老化しないうちに妊娠するのが望ましいが、体が未熟な10代の出産は、母体にとっても負担が大きく、安全にお産という視点も加えると、22〜35歳ぐらいまでに出産するのが理想的だと、浅田先生は言う。学校の性教育で「いかに避妊するか」ということばかりが強調されるせいか、「避妊をしなければすぐに妊娠できる」と考える人も多いだろうが、妊娠するのは簡単なことではない。そもそも人間は、子宮や卵巣の構造から見て他の動物に比べて妊娠しづらく進化している。動物と違って「繁殖期」のようなものがなく、一年中妊娠のチャンスはあるが、受精可能な卵の期間は、毎月の排卵後1日弱だという。日本では5.5組に1組が不妊治療を受けていると言われており、不妊で悩んでいる人は少なくない。「いつか子どもがほしい」と考えているならば、30代前半までの妊娠をひとつの目安としてしっかりライフプランを考える必要があるのだ。

「もっと早く知っていれば…」と後悔することのないように、10代からぜひこの本を読んでみてほしい。生理周期を把握すること。つらすぎる生理痛をガマンしないこと。ムリなダイエットをしないこと…。この本を読むと、自分の体と向き合うことの大切さが心の底からわかる。そして、「自分はいつ妊娠したいのか」と将来を考えるきっかけにもなる。女の子にはすぐに読んでほしいし、読ませたいとも思う1冊。

文=アサトーミナミ