「うちの子が発達障害かもしれない…」と思ったら、どんなサインを見ればいい? 発達障害の理解を深めたい

出産・子育て

2020/4/9

『もしかして発達障害? 子どものサインに気づく本』(塩川宏郷:監修/主婦の友社)

「自分の子どもが発達障害だったら…」
「うちの子、ちょっとかわってるけどもしかしたら発達障害?」
発達障害についての認知が広まり、言葉自体を聞くことは増えても、こんな不安を抱く人は多いだろう。自閉スペクトラム症や注意欠如・多動症(ADHD)、知的発達症、社会的コミュニケーション症、発達性協調運動症などを含む発達障害(神経発達症)は、生まれつきの特性に由来するといわれている。
 
 子どもたちの発達特性に早い段階で気づき、適切な関わり方をすることは重要だ。不要なストレスを減少させ、合併症(二次障害)であるうつ症状などを防ぎやすくするからだ。
 
『もしかして発達障害? 子どものサインに気づく本』(塩川宏郷:監修/主婦の友社)では、障害を過度に特別視せず、理解して受け止めるための知見が示されている。

そもそも「発達障害」とはどういう状況?

 本書は発達障害という用語をこう整理する。

“発達障害とは、言語・コミュニケーション・社会性などの発達に何らかの特性(偏りやゆがみ)があることにより、その人をとりまく環境にうまく適応できない状態のこと”

 発達障害には、さまざまな種類があり、個人差が大きい。だからこそ、周りの人に求められる対応も人や状況によって異なるのが実情だ。そこで本書では、その種類や年齢に応じて“発達障害のサイン”を説明し、それに対する対応を紹介している。

「神経発達症」とは、最新の診断基準にも出てくる用語で「発達障害」とほとんど同義である。

“本書では従来どおりに発達障害と呼んでいますが、これからは神経発達症という言葉が広まっていくと思われます”

と書かれるように、この呼称は近年少しずつ広がりを見せている。呼称については、かつて「アスペルガー症候群」や「高機能自閉症」と言われたものが「自閉スペクトラム症」に含まれるようになったことなど、これまで変化してきたのが精神医療の歴史だ。子どもたちが大人になっていく過程で、医療や学問の分野もさらに変化していく可能性がある。「神経発達症」という用語や対応は、いまのうちに覚えておいたほうがよさそうだ。

医学だけでなく、生活に関わる情報が充実

 本書の読みどころのひとつは、各章の末尾にまとめられているコラムである。たとえば、「星の王子さまは発達障害?」「障害は『個人』の問題ではなく環境や周囲の人々など『社会』によってつくられる」「発達って何?」など、精神医療のジャンルだけにとらわれないトピックも多く、それぞれ興味深いテーマが並ぶ。

 発達障害(神経発達症)を多面的に理解し、的確な対応をするためには必読の1冊だ。

文=えんどーこーた

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