「赤ちゃんってどうやってできるの」と聞かれたら! 明るく楽しい性教育マンガがパパ・ママの疑問を解決

出産・子育て

公開日:2020/4/29

『「赤ちゃんってどうやってできるの?」にきちんと答える親になる! 学校もママ友も教えてくれない明るく楽しい性教育』(のじまなみ/日本図書センター)

「ねえママ、セックスってなあに?」。子どもから唐突にこんなバズーカ砲が飛んできたら、あなたならどうするだろうか? 私にも5歳の息子がいるが「なんでだろうね~?」「コウノトリが運んでくるんだよ!」なんて、その場しのぎの言葉で逃げてしまいそうな自分がいる…。

 でも、元看護師でとにかく明るい性教育「パンツの教室」協会代表理事の性教育アドバイザー・のじまなみさんは、性教育は3~10歳のうちに行うことを推奨している。「…え?本当に?早すぎない?」と思ったパパ・ママはぜひ、のじまさんの性教育マンガ『「赤ちゃんってどうやってできるの?」にきちんと答える親になる! 学校もママ友も教えてくれない明るく楽しい性教育』(のじまなみ/日本図書センター)を読んでみてほしい。

学校任せはムリがある! ネット時代だからこそ家庭で性教育をしよう

 性教育にはどうしても“恥ずかしさ”がつきまとう。私も性器のことやセックスについて踏み込んで子どもと話すことを想像してみたが、う~ん…やっぱりためらいを覚える。きっと学校で習うし、子どもたち同士で勝手に覚えていくんじゃない?

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 でも本書によれば、国公立学校では小学校4年生の保健体育の授業ではじめて性教育が行われるが、その時間は合計してもたったの数時間ほど。これではどうやって子どもができるのか、セックスとはなんなのか、子どもたちは結局よくわからずむしろモヤモヤした気持ちが増えてしまうという。

 そのモヤモヤを解決するために子どもたちがたどり着く先がインターネットだ。ここまで話せばその先にはびこる卑猥な“性産業”から、間違った知識を得てしまうことは容易に想像できる。親として、それはなんとしても避けたい!!

「性教育とは本来、“命の誕生の奇跡”、“愛し愛されること”、“自分の身を守ること”を伝えること。子どもたちが持っている純粋な好奇心を満たしてあげることが本当の性教育なんです」と本書の中でのじまさんは語る。幼いうちから性について愛情をもって教えることは、子どもの自己肯定感が高まるだけでなく、性犯罪や低年齢での性体験を回避できるなど、実はメリットしかないという。

 日本にはいまだに性について触れることはタブーという考え方が根強く残っているが、今はインターネットを通じて性的な情報に簡単にアクセスできてしまう時代。おかしな知識を持ってしまわないようにするのが、親の役目なのかも…!! と本書を読んで思い直した。

まずはパパママが、言葉の壁を乗り越えるべし!

 そうはいっても、いざ子どもに性教育をするとなると…やっぱり恥ずかしい!! 「ペニス」「膣」「セックス」。こんな言葉を子どもの前で発することを考えただけで正直逃げたくなるし、どうやって話を切り出せばいいのかもわからない。

 でもそれは大人自身が性=卑猥だと思っているからだとのじまさんはいう。大人として子どもに教えたい性は、「命の誕生」「愛情」「身を守る」の3つ。子どもを守りたいという気持ちがあれば、“恥ずかしさ”を乗り越えて子どもにちゃんと伝えることができるという。

 子どもに説明するときは、昆虫や動物の話の中に性教育を入れ込んでいくと自然に話せるそうだ。「命のバトンをつないでいるのは人間も動物も同じこと。性教育の専門家たちがつくった絵本やマンガを親子で一緒に読んでみるのもおすすめです」とのじまさん。

 性教育とは人体の神秘について学ぶこと。たしかに私も子どもをおなかに宿したときは、自分の体の中で一人の人間がつくられていく奇跡に感動した。

 世の中には子どもを狙った性犯罪も多いが、中には子どもが、その被害自体を性犯罪だと気づいていない事例も結構な数だという。誰にも聞けない“性教育”をマンガで教えてくれる本書は、子を持つ親として“性”について改めて考え直すいいきっかけを与えてくれる。

文=齋藤久美子