夫にイライラしてしまう原因は、実はあなた自身に!? 「コロナ離婚」を防ぐための家事分担術

暮らし

公開日:2020/5/15

『もう「女の家事」はやめなさい』(佐光紀子/さくら舎)

 新型コロナウイルス流行に伴う緊急事態宣言の発令により、家族が家にいる時間が長くなった。その影響で、ストレスがたまり、「コロナ離婚」寸前、という家庭も少なくはないらしい。家事に非協力的な夫や子どもにイライラは募る一方…。

 だが、そのイライラの原因は、本当に夫や子どもにあるのだろうか。もしかしたら不満が募る一番の原因は、あなた自身が「家事は女がやるもの」「家事はきちんとやらねばならないもの」という呪いにかかっているせいかもしれない。

『もう「女の家事」はやめなさい』(佐光紀子/さくら舎)は、家の仕事を一人で抱え込みがちな主婦たちに読んでほしい一冊だ。家事の分担は難しい。分担しようとしても、気づけば、他の家族がテキトーにやった家事の「尻拭い」をしてしまうこともあるだろう。

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 だが、著者の佐光紀子氏は、その状況を変える方法を教えてくれる。時間半減、手抜きOKの佐光式家事の方法を知れば、夫や子どもにイライラすることもなくなるに違いない。

 たとえば、家事の中でも、食事の準備は大仕事だ。働く主婦は「ご飯炊いておいてね」と他の家族に頼んでから仕事に出かけるという場合もあるだろう。しかし、「帰宅するとご飯が炊けていないことがよくある…」という声は少なくない。

 では、そんな時、あなたなら、どうするだろうか。

「お母さんやっておいて」はスルー! 他の家族の役割の尻拭いはしない

 多くの家庭では、帰宅後大急ぎでご飯を炊き始めたり、買い置きや冷凍のご飯に頼ったり、コンビニに走ったりするのではないか。しかし、佐光氏は「他の家族の役割の尻拭いをする必要はない」と断言する。

 もし、あなたがおかずを作る担当で、ご飯を炊くのは別の家族の役割だったならば、あなたは自分の役割だけをこなせば良いのだ。ここで大事なのは、約束を守らなかった相手を決して責めないこと。黙々と自分の役割をこなすことで、他の家族に「約束を守らなかった結果」を感じとってもらえばいいと佐光氏はいう。

 現に、佐光氏の家では、夏休み、3人の子どもたちにご飯炊きと風呂掃除、犬の散歩を分担してもらっていたことがあるという。ルールは一つだけ。「都合が悪くなった時は、3人で相談してどうにかすること」。「時間に間に合わないから、お母さんやっておいて!」と連絡が来ることもあったが、佐光氏は尻拭いは決してしなかったそうだ。

 結果的に家族が食卓にそろったら、おかずだけはあるが、ご飯ができていないということもあった。当然、ご飯担当以外の家族から「ご飯ないの?」という声があがるが、「炊けてなかったからね」と佐光氏は特に怒るわけでもなく、誰を責めるわけでもなかったという。

「家族で家事を分担する」と約束したのにもかかわらず、その約束が守られなかった時、尻拭いをして、なんとかするのがよい妻、よい母だと考えるのが一般的かもしれない。

 だが、相手が約束を守らなかったら、その約束が守られなかった結果を、みんなで体験して、みんなで困ってみるというのも必要なことなのではないかと佐光氏はいう。

 もしかしたらあなたの家族はみんな「自分がやらなくても、お母さんがどうにかしてくれる」と心のどこかで思ってしまっているのかもしれない。

 佐光式の家事の方法を知ると、自分は一人で頑張りすぎていたのではと思わされる。家事を分担し、家族みんなに責任感を持ってもらうこと。そうすれば、あなたの負担は格段に減るに違いない。

文=アサトーミナミ