「結婚してよかった」が過半数!? コロナ禍の夫婦生活について既婚男女125人に調査してみた。

恋愛・結婚

更新日:2020/7/1

 コロナ禍により、幸せの基準や本当の繋がり、家での過ごし方が見直される今、「結婚」や「家族」について前向きに考えた人は少なくないかもしれません。一方、外出自粛により家時間が増えたことで、夫婦問題が表面化し、#コロナ離婚 がTwitterのトレンド入りするなど、ネガティブな面も話題になりました。「これからの結婚・夫婦生活」特集では、改めて誰かとともに生きることについて考えます。

 厚生労働省によると、国内の婚姻は1972年がピークでその後は増減を繰り返し、なんと2019年は、改元に伴う「令和婚」の増加で、前年より1万2484組も増え、5月に限っては、2018年同月のほぼ倍という数字が発表されている。

 一方で、近ごろはおひとり様として生涯を楽しんだり、離婚という道を選んだりする人も増え、結婚にとらわれない生き方も浸透してきている。また、事実婚のように、法に縛られない結婚の形も認められつつあり、夫婦の形も多様化してきた。そんな時代だからこそ、考えてしまう。結婚することの意味は、一体なんなのだろうと。

 そこでダ・ヴィンチニュースではアンケートを実施し、コロナ禍を通して感じたリアルな夫婦問題を調査。そこから分かったパートナーへのホンネも交え、生き方が多様化するこの時代の中、いつものように「ジューンブライド」とはいかない2020年の今だが、誰かとともに生きることについて改めて考えたい。

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アンケートによって判明した「結婚」の意味

 今回アンケートを行った既婚者125人のうち男性は35人、女性は90人。年齢や子どもの有無、結婚歴は下記の通りだ。

20代…2人
30代…34人
40代…63人
50代…17人
60代…9人

子どもがいる…95人
子どもがいない…28人
その他…2人

結婚1年未満11人
1年~3年未満8人
3年~10年未満26人
10年~20年未満51人
それ以上29人

 調査の結果、コロナ禍の影響で夫婦仲が「良くなった」と回答した方は34人、逆に「悪化した」は7人、「以前とかわらない」は84人と、巷では「コロナ離婚」が騒がれていたが、実際には意外にも悪影響を受けていない人が多いことが分かった。

 また、夫婦間の実情を詳しく見てみると、自粛の影響で喧嘩の回数が「増えた」は18人、「減った」が20人、「以前とかわらない」が87人と増減した人数にあまり大差がないことがうかがえて、夫婦間のスキンシップや会話が増えた夫婦は「関係が良くなった」や「喧嘩が減った」と回答する傾向にあった。

 そんな中、一番興味深かったのは「喧嘩の理由」と「外出自粛期間中に夫・妻に対して一番イライラしたこと」への回答。パートナーへの不満が結婚歴によって変化することが露になった。

 例えば、結婚歴1年未満の夫婦は外出自粛によって喧嘩が増えやすく、喧嘩の理由や自粛中のパートナーへの不満は“一緒に過ごす時間”に対するものが多かった。

●日中1人の時間が少なくなった事で私がイライラして1人で怒る。夫は基本スルーだが怒る事もある。(30代女性/れおまる)
●一時帰休で家にいるのに、自分のことばかりだった。(40代女性/しんのすけ)

 そして、結婚歴1~3年以上の夫婦では1年未満の人よりも喧嘩は増えなかったが、パートナーへの不満は同じく、一緒に過ごす時間に対するもの。

●家事を一切しない。ともに在宅勤務なのにおかしい。(30代女性)
●ずっとゲームをしている(40代女性/はなむぎ)

 だが、この2グループは喧嘩が増えたり、不満を抱えたりしつつも「結婚してよかった」と回答している人が多く、ぶつかりあいながらほどよい距離を模索しているように見えた。

 一方、「結婚してよかったか」の問いに「どちらでもない」と答える人が多くなる結婚歴3~10年未満の人は過ごし方より、“パートナーの人間性や価値観”に不満を抱きやすい傾向にあった。

●在宅勤務でずっと一緒にいる事でいろいろと嫌な部分が今更よく見える事と仕事にも家事にも非協力的な事。(40代女性/咲耶)
●オンライン飲み会と称して、お酒をたくさん飲んでいた。晩ご飯&晩酌の後に、オンライン飲み会。一軒目ビール、二軒目ワイン、最後にはシメのカップラーメン。どんだけ飲むのどんだけ食べるの?? イライラ通り越して呆れていた。(30代女性/M)

 さらに、「結婚して後悔している」と回答した人が増えた結婚歴10年以上20年未満の人ではパートナーの人間性への不満はより顕著に。

●家族が家にいる時間が増え、家事も増えたのに、何もしてくれないし、大変だとも気付かない。普段と変わりなくそれが当たり前だと思っている(40代女性/ムーママ)
●食事の好みはあるほうだと思っていたけど、ここまで食事を共にする(しかも自炊)機会がふえると、意外にあわないことがわかり、がっかりした。(40代女性/引っ越し準備中)

 だが、面白いのは結婚歴20年以上の夫婦の回答。意外なことに、パートナーへの不満に「何もない」と答える人が増えてくるのだ。一番結婚歴が長いのに、なぜパートナーへの不満が減っているのか。その理由は、パートナーに対する愛の質が変化していったことにあるようだ。

 今回の調査では「結婚してよかった」と答えた人が91人、「後悔している」が11人、「どちらでもない」が23人であったが、「よかった理由」を結婚歴ごとに比較してみると興味深い事実が見えてくる。

 例えば、結婚1年未満で「結婚してよかった」と回答した人の理由は下記の通り。

●誰かのために仕事を頑張れる気持ちが大きくなった。(30代女性/ヒデヨシ)
●選んだ人生を後悔したくないから。一緒に生きていくことを決めたので、腹が立っても向き合う。(30代女性/しいこ)

 覚悟と期待が入り混じった結婚への「よかった」が、結婚歴1~3年未満になると、「今を一緒に楽しめるから結婚してよかった」に変化する。

●日常の中で起きた楽しいことや嬉しいことを共有できる。辛いことも、話してスッキリできる。(30代女性/いとえり)
●何かしら相談したり、絶対に話し相手がいたりする(30代女性/lebeaujapon)

 そして、ある程度パートナーの人間性や価値観が分かった結婚3~10年未満には相手の存在自体に「結婚してよかった」の理由を見つける。

●お互いを気遣い合い、なくてはならない半身のような存在だと思うのでいてくれるだけで有難いと思ってる。具体的なエピソードとかはないのですが…(30代女性/彦桜)
●ぶつかることも多かったけど、いろんな困難に直面しても一緒に悩んで乗り越えてこられたし、互いに成長していけると思うから(30代女性/MCC)
●生きていく上で必要な恋愛以上の関係になれたと思う。(30代女性/M)

 たしかに結婚歴の長さに比例し、「結婚を後悔している」と回答する人が増えてはいた。だが、その一方で、結婚10~20年未満の人では結婚生活の不自由さも含め、誰かとともに生きることの意味を噛みしめるようになっている。

●いくら年をとって微妙な関係に仮になったとしても、家で待つ人、迎える人がいるのは安堵感が高いので。(40代男性/ハシビロコウ)
●若い頃は、結婚について考えることもあったけど、歳をとった今は、夫が私のことをとても大事にしてくれているのがわかるから(40代女性/ほっちゃん)

 結婚20年以上にもなると「大事にしてくれる」などの具体的な何かがなくても、ただただその存在がいてくれることを嬉しく思い、結婚の良さを噛みしめる人が多かったのもまた事実だ。

●思いやる対象がいるのは、原動力になるから(50代女性/ありか)
●最良の妻だから(60代以上男性/マル)

 パートナーのいい面だけでなく悪い面や結婚生活で感じる不自由さも含めて、目の前の相手を受け入れ、愛す。そんな「無償の愛」が夫婦の間には存在していることがアンケートからは読み取れたのだ。

 結婚式ではよく「笑顔が絶えない家庭を築きたい」というフレーズが飛び交うが、そんなものは幻想にすぎないし、喜びだけでなく、悲しみや絶望もともに共有していかなければならないのが夫婦だ。「離婚」という選択を下せなくても、とにかく離れたいと思ってしまうことだって時にはある。

●別居するのでマンションを売りたい
新型コロナの影響で、夫婦ともに在宅勤務になりました。これまでは共働きで、結構すれ違いに近い生活だったのですが、コロナ禍をきっかけに今までにないくらい同じ空間にいる時間が増えてしまって、正直どうしたらいいかわかりません。お互いにzoomの会議時間がかぶってしまうなど、実務にも影響が出ています。夫が言うことやることにイライラするようになって、家でも気が休まりません。離婚するまでは踏ん切りがついていませんが、これからもコロナで在宅勤務が続くようならお互いの精神衛生上よくないと思い夫と話し合って、購入したマンションを売って別居することにしました。離婚するかどうかはわかりませんが、今はとにかく離れたいなと思っています。(結婚5年目子どもナシ32歳/M)

 しかし、それでも離れられない理由が夫婦の間にはある。お金や子どもということではなく、一緒に過ごす中で育んできた「無償の愛」が関係しているように思えてならない。実際、夫婦の絆を感じさせるエピソードも寄せられた。

●(中略)問題の根幹はいつも飲酒だったので、断酒できないなら離婚したいと考えていた。自粛になり、夫の飲酒機会が減りはしたものの…コンビニ等では買えるため、終業後は社内で1杯…と飲んで帰宅するので、やはり飲酒が原因で揉めていた。上の子が仲裁してくれて『お酒我慢スタンプカード』を作って夫と禁酒の約束をしてくれた。だが先日、任せていた貯金のやりくりが残金数百円だと発覚。すべて飲み代や部下への奢り代に消えていた。泣きながら夫の行動の異常さを訴えると、やっと病院へ行くと言ってくれ、その日のうちにめでたくアルコール依存症を診断された。現状を認識してくれて、反省し、今後は断酒継続を頑張ると言ってくれたので、サポートしていくと決めた。コロナ禍がなかったら、私はきっと夫を刺していたと思う。(チンパン/結婚10~20年未満/子どもアリ/30代)

 夫婦関係を続けるか、終わらせるか迷うことはある。けれど、相手に何度も絶望したとしても「それでも一緒に居続ける」という選択肢が夫婦にはある。損得勘定ではない愛がそこにあり、寄り添う存在のおかげで自分が自分でいられる喜びを感じられる…。それは結婚でしか味わえない喜びであり、幸せだ。だから、私たちは限界までパートナーを思い続け、共に生きようとするのかもしれない。

ハッピーエンドではなくても「結婚してよかった」

 実は筆者は、バツイチだ。6年の結婚生活では、恋人関係の時にあったときめきが月日に反比例してすり減っていき、次第に愛しさと憎しみが混在するようになった。その結果、2LDKの中にいたのは、いつの間にか夫婦ではなくなってしまった「宙ぶらりんな私たち」。

 結婚しないほうがよかったのかもしれない。分かり合えない苦しみを感じるたび、そう思った。けれど、今振り返ると、ハッピーエンドではなくてもあの人と結婚できてよかったと感じる。一緒に築き上げた歴史やさらけ出し合ったみっともない日々は、どれも今でも愛おしい。なんてことない会話をしながらつつき合った節約鍋のおいしさや、「ただいま」と言える相手がいる嬉しさを噛みしめられたことは、かけがえのない財産になった。

 楽しいことばかりではなかったけれど、寄り添ってくれたパートナーのおかげで生きてこられた日はたしかにあった。「憎み合って別れるのではなく、笑い合って別れよう。楽しかったじゃない」という言葉で締めくくってくれた2人の日々は、今の原動力になっている。だから、伝えたい。結婚って意外と悪くないものだよ、と。

 昭和・平成の夫婦の形は、きっとお互いにとって少し窮屈なところもあるものだった。だから、令和の結婚や夫婦はもっと、お互いが生きやすい自由な形であっていいと思う。時には距離を設けてもいいし、愛が熟成されすぎて「夫婦」として繋がれなくなったら、「私たちらしい形」を探しつつ、常識にとらわれず家族や夫婦という形ではない結婚生活を送ってみてもいい。仮にハッピーエンドにならなかったとしても誰かを深く愛し、繋がり合えたという経験は自分の肥しになる。

 これらのコメントが強くそう思わせてくれる。

●1度目の結婚に失敗したのですが、彼と再婚したことで結婚のいいとこ、家庭のいいとこ、夫婦のいいとこを発見できたことです。再婚しなければ、気づかないまま、人生終わってました。(3年~10年未満/40代女性/りんごママ)
●生きていく目標ができた(10年~20年未満/40代男性/牛田モー)

 ひとりの人を想い続けることの難しさと尊さを教えてくれる結婚。私たちはその制度によって、自分の未熟さに気づき、人を愛し抜くことの重みを命を懸けて学ぶのかもしれない。

文=古川諭香

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