関ヶ原の戦いで引き裂かれる恋!3人の男女の想いの行方は…??

ライトノベル

更新日:2012/7/6

大坂城恋綺譚―桜想う姫 ─ 桜想う姫

ハード : Windows/Mac/iPhone/iPad/Android/Reader 発売元 : 小学館
ジャンル:小説・エッセイ 購入元:紀伊國屋書店Kinoppy
著者名:智凪桜 価格:315円

※最新の価格はストアでご確認ください。

最近、武将ブームだなぁ~って思います。小説やマンガ、アニメなどでも、取り上げられること多いですよね~。乙女ジャンルも例外ではなくて、武将と恋愛する小説やマンガ、ゲームはいっぱいあります。私も歴史物ラブ・ストーリーは大好きです!

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でも、だいたいピックアップされる武将って決まってません? 織田信長、真田幸村、伊達政宗、平清盛、源義経…etc.もちろん彼らも大好きなんだけど、たまには違う武将とのラブ・ストーリーを読みた~いっ!! そんなときに出会ったのが、この作品です。恋のお相手はなんと、石田光成っ!?

豊臣秀吉の家臣・片桐貞隆を父にもつ主人公・お蝶は、鬼を見る能力を持っています。そのため周りから「物の怪憑き」と忌み嫌われ、下を向いて過ごす毎日でした。そんなある日、石田光成と出会います。同じ能力を持ちながらも、堂々と自分の信念を持って生きる光成の姿に、いつしか「光成のようになりたい」と憧れるようになります。その憧れが、月日とともに胸を焦がすほどの恋心に…。だけど、天下人・豊臣秀吉がなくなったことで、2人に残酷な運命が待ちうけます。

一方、徳川家の家臣・本多正信を父に持つ本多忠純は、幼い頃自分を助けてくれたお蝶のことが忘れられず、ずっと想いを寄せていました。だけど、お蝶が石田光成のことしか見ていないことに気づき…。

なかなか見かけない武将がピックアップされてるだけあって、興味津々で読み始めました。「石田光成とどんな恋愛を繰り広げるんだろぉ~♪」とページをめくるごとにドキドキです。
だけど、読んでみてビックリ!石田光成、出番少なっ!!!!(笑)光成とのラブ・シチュエーションを期待していた私としては、ちょっとそこが残念でした。
でも、これには涙の理由があって…そう、石田光成といえば「関ヶ原の戦い」。この戦が、お蝶と光成を引き裂くのです。お蝶に惹かれながらも、どんどん劣勢になっていく自分の立場からそれを伝えられない光成の気持ちが、すごく切ない…。

そして、そんな時2人の前に現れるのが、本多忠純です。彼がまたいい人で、お蝶と光成の想いを汲んで、色んな行動を起こしてくれます。昔からお蝶のことが好きだったのに「好きな人にはいつも笑っていて欲しいから」と、自分の気持ちを押し隠して尽くす忠純の姿がまた切ないんだ…。
「石田光成とのラブ!」にばっかり気を取られて読み始めたけど、この作品の見所は、お蝶、光成、忠純の切ない三角関係です! 後半は特に、忠純の一途さに注目! それぞれの交わりそうでなかなか交わらない想いの行方に、ぜひ悶えて下さいませ!(笑)

ちなみに、私は知らなかったんですけど、本多忠純も歴史上に実在した人物だそうです。(初代榎本藩主)作者さんがかなりの歴史好きで、作品に登場する人のほとんどが実在する人物なんだとか…。調べてみると、「だからこういうストーリーなのか~。」と納得できて、面白かったです! 歴史好きの人は、そこに注目して読むのも楽しい作品だと思います♪


登場人物一覧。お蝶の父・片桐貞隆、忠純の父・本多正信も注目人物です

お蝶と光成の出会いのシーン。無愛想ながらも優しいのが、石田光成です

幼い本多忠純に芽生えた恋心。何年か後、光成を想うお蝶と再会するとは知らずに…

お蝶の涙の理由。お蝶、光成、忠純の想いの行方はいかに…?